菅首相とインドとの繋がりを考えてみた【イチゴを生産、段ボールで経済発展、カレーは日本式の海外進出のモデル】

菅義偉(1948年〈昭和23年〉12月6日 – )新首相は、2020年9月14日、自民党総裁選挙が執行され総裁(第26代)に選出された。国会議員職の世襲ではない総裁としては森喜朗以来。選挙地盤を世襲していない自民党総裁としては海部俊樹以来。第99代内閣総理大臣に就任する。
 安倍晋三首相は毎日新聞記者だった安倍晋太郎とその妻である洋子の次男として生まれた。父方の祖父は衆議院議員の安倍寛、母方の祖父は後の首相、岸信介。大叔父にはノーベル平和賞も受賞した首相の佐藤栄作がいる政治家一族。戦後のインド外交を立ちあげた岸信介や外務大臣を務めた安倍晋太郎はインドとの繋がりも深い。菅首相にはそういったものがあまりない。
  菅首相は秋田県雄勝郡秋ノ宮村中央部旧国道沿いに家があったイチゴ農家に長男として生まれた。父、菅和三郎は第二次世界大戦末期、満鉄職員として当時満州国の首都だった通化市で日本の降伏を迎えた。引き揚げ後、故郷で「秋の宮いちご」のブランド化に成功した。2010年に93歳で死去し旭日単光章を叙勲されている。
 菅首相は中学卒業後は自宅から最も近い秋田県立湯沢高等学校に2時間かけて通学した。高校卒業後上京した。板橋区の段ボール工場で過ごした。2ヶ月で工場を退職し大学進学を志し朝は築地市場、夜は新宿の飲食店でアルバイトをして生活した。上京から2年後に授業料が安かったという法政大学へ進学。法政大在学中には警備員や新聞社、カレー屋のアルバイトで生活費と学費を稼いでいた。大学の空手道部に4年間所属し、三段の段位を取得している。
 このあたりからインドとの繋がりを考えてみる。まずはカレーだろう。安倍首相は一期目に党内からも退陣を促す声が出る中でストレスをためていた。広島平和記念式典に行く前日の8月5日から、胃と腸に痛みを感じ、食欲の衰えを感じるようになる。そして、8月19日から8月25日のインドネシア・インド・マレーシア3ヶ国訪問後は下痢が止まらなくなり、症状は次第に悪化し始めた。カレーの刺激が強すぎたのかもしれない。菅首相はカレー屋でアルバイトをしていたというし、今はココイチのインド進出が日本式フロンティア市場開拓の象徴にもなっている。カレーを外交ツールに使わない手はない。次に段ボールはどうだろうか。段ボールは途上国経済が生産から流通に加速度的に成長するときに欠かせないアイテム。特に今はアマゾンなどのネット通販がステイホームの新常態の中で急進している。王子ホールディングスインドで段ボール工場を増設すると2016年に発表している。インターネット通販向けに広がる需要を取り込む。日系を中心とする自動車や日用品メーカーの梱包用途にも供給力を高める。菅首相は段ボールの大切さを理解する数少ない首相だろう。さらにイチゴ。日本にあってインドにないものの代表がイチゴ。他の果物は皮をむけば食べられるが、イチゴは皮ごと食べる。つまりきれいに洗わないと食べられない。丁寧な輸送も生産の一部として不可欠な高級果物。中間層以上のぜいたく食品であると同時に、生産者を育てれば付加価値の高い作物となる。インドの農村社会には貧困、環境、ジェンダーなどの問題が未だに多く残っている。日本電気株式会社(NEC)は途上国での農業のIT化による課題の解決に取り組んた。ICAジャパンは長年のインド農村部の事業地の課題解決に向け、NEC、農業生産法人GRAと連携して、いちごプロジェクトを実施した。いちごプロジェクトでは、ポリハウスを建設し、日本産のいちごの水耕栽培を行うことで、高品質ないちごの生産を行い、インドの富裕層への売り込みを行っている。生産されたイチゴは、州内のホテルで提供されるまでになったという。村人の雇用の促進にもつながった。取り組みはインドでも認められ、2015年にはインド農業省から「Krushi Ratna賞」を受賞した。「私は農家の長男だが地方では農業が衰退しており集約化が必要だ。都市農業は相続税など税制で支援すべき。日本は資源のない島国。雇用をつくるのが政治家の仕事だ」として日本のTPP参加に賛成。

 菅首相は2019年4月1日に、官房長官として新元号令和を発表したことから、「令和おじさん」の愛称がある。2016年7月7日、内閣官房長官の在職期間が1,290日となり、歴代1位の在職日数を記録した。憲法改正に賛成。日本の核武装について検討すべきでないとしている。原子力規制委員会の新基準を満たした原発は再開すべきとしている。女性宮家の創設に反対。
 菅首相は酒は飲まず、タバコも吸わない。朝に身体を動かしたり、平日は午前5時頃に起床し、柔軟運動や100回の腹筋運動。総理大臣官邸近くのホテルで野菜、果物、ヨーグルトドリンクなど一汁一菜の軽い朝食をとり、情報収集する。公明党の支持母体の創価学会幹部と太いパイプがある。外交の経験は比較的少ない。このあたりは、節制ワーカホリックのモディ首相と通じるところがある。

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