【インドの州】25:トリプラ州

ほとんどがバングラデシュに囲まれる面積1万平方キロあまりの小さな州。州都はアガルタラ。1300年間にわたって繁栄したトリプラ藩王国の地。王国は18世紀ころから衰退し、1949年にインドに併合された。低地では米、ジュート、ゴム、丘陵地ではワタ、茶を産する。総面積の55%を占める森林地帯のうち8%は原生林で覆われている。先住民はモンゴロイド系のトリプラ人。主要言語はベンガル語で、人口の70%はヒンドゥー教徒。バングラデシュからの移住者が増大し社会問題化している。
トリプラ民族解放戦線」(NLFT)は,1989年,インド東部・トリプラ州の独立を目指して設立された武装組織。隣接するバングラデシュ内に拠点を構築しているとされ,治安部隊などを攻撃対象としている。インド政府は,2002年,NLFTをテロ組織に指定した。
 トリプラは竹と籐の手工芸品で有名。、木、籐は、家具、道具、手持ち式の扇風機、レプリカ、マット、バスケット、偶像、室内装飾に使用される。

 竹織物産業が盛んで、州の森林研究開発局は多くの竹の苗木を短期間で供給するマイクロ増殖技術を開発した。
 トリプラ王国時代の遺跡。巨大な岩彫刻のウナコティ遺跡(Unakoti)。シヴァ神信仰の地。ウナコティ(Unakoti)とは、“1千万に1足りない”という意味。八百万ではなく9,999,999の神。ウナコティ伝説。日の出前に起きるよう命じたがシヴァ神が目覚めたとき、全ての神はまだ寝ていたため怒り心頭で神々を岩にしてしまったというお話。岩にされてしまった神々の姿がある。
 歴史的な彫刻は、だいたい7~9世紀に遡るものといわれている。高度な技術で複雑かつ流線的に彫られた美しい彫刻の数々が散在。
 ボトル・ダンス。蓋のようなものを両手に持って時々壷の上に乗って踊るスタイル。タブラがリズムの中心。
 トリプラースラはインド神話に登場するアスラ族の3人のグループ名。「トリプラ」とは「3つの町」という意味。1つ目は地上にあって鉄でできた町、2つ目は空中に浮かぶ銀でできた町、3つ目は天界にある金でできた町の3構造都市になっている。この「三都」は千年後に1つになり、強大な神の矢の一撃で滅びることになっていた。トリプラースラは神々を破って三界(天界、空中界、地上界)を支配したがトリプラースラが圧政を敷いたために世界中の人々が苦しめられた。
 トリプラ州では貧困層による焼畑農業の拡大、家畜飼料・燃料のための森林資源の過剰摂取により、森林の荒廃。JICAが大規模な植林を地域住民の参加を得て行った。
 世界にはまだ知られていない地域が山ほどある。

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