【インドの州】19:オリッサ州
海に面したオリッサ州はミサイルの発射場のイメージが強い。2015年には長距離ミサイル「アグニ5」が可搬式装置で初の試射に成功している。失敗しても基本は海。インド東部オリッサ州ウィーラー島で1月31日、核弾頭を搭載可能な国産長距離弾道ミサイル「アグニ5(Agni V)」を発射する実験に成功。アグニ5の試射成功はこのときで3度目。トラックに搭載したキャニスター(弾筒)からの発射。従来はコンクリート製の発射台を使用していた。
#ミサイル発射場
アグニは「火」を意味するサンスクリット語。1983年に始まった誘導ミサイル開発プロジェクトのミサイルの名称に用いられている。短距離ミサイル「アグニ1(Agni I)」と「アグニ2(Agni II)」の開発はパキスタンを主に念頭に置いていた。長距離ミサイルの焦点が中国にシフトした。
2009年3月7日の実験はチャンディプール(Chandipur)で行われた。短距離地対地弾道ミサイル「プリトビ(Prithvi)」は地球を意味する。弾道ミサイル防衛システム計画の一環としてベンガル湾(Bay of Bengal)上空でミサイル迎撃実験を行った。実験は成功し、「敵」ミサイルは上空で破壊された。
#カリンガ合戦
オリッサ州はインドの南東部にある州の一つ。州都はブバネーシュワル。人口は約4372万人(2014年)。公用語はオリヤー語。2009年に英語の名称が変更され英語: Odisha(オーディシャー州となった。オリッサ州のまま呼ばれていることも多い。
主要河川にマハーナディー川、海岸線がベンガル湾へと通じる。古代において、この地域にカリンガ国が栄えていた。紀元前3世紀にこの地に対して残酷な征服を敢行したのがマウリヤ朝のアショーカ王で反省した王がダルマ(法)に基づく統治を行ったとされる。王を仏教へ導いたカリンガ合戦の記念として州都ブバネーシュワル周辺では、数多くの仏教建造仏がのこされている。5世紀末に成立した東ガンガ朝のもとで独自の文化が形成され、オリッサ文化が栄えた。コナーラクの玄武岩で作られた太陽神殿(スーリヤ・マンディル)が有名。真鍮製品、シルク製品、綿製品、宝石等取引の中心地。アスカはアジア初の製糖工場が設立された街。製糖業が盛んであり、「砂糖の街」の愛称がある。
主要な出身者にスバス・チャンドラ・ボースがいる。日本と結んでインド独立を実現しようとしたベンガル人。
#怪魚ウモッカ
オリッサ州を舞台にした作品に『怪魚ウモッカ格闘記』高野秀行、2007年、集英社文庫がある。探し物中毒の著者が謎の怪魚ウモッカの情報を入手、「捕獲すれば世紀の大発見!」と勇み立つ。ルール無し、時間制限無しの戦いが始まる。次々と立ちふさがる困難を砕き著者は地元漁民の協力を仰ぐための現地語学習、捕獲した時の移送ルートや鑑定できる学者の確保。ついに怪魚探しの秘密兵器を手にインドへ。しかしそこには予想を超えた展開が!奇想爆走。高野秀行[タカノヒデユキ]は1966年東京都生まれの早稲田大学探検部。当時執筆した『幻獣ムベンベを追え』でデビュー。
#サイクロン
1999年のオリッサ・サイクロンは被害が大きかった。死者数9,887人とされる。10月にインドのオリッサ州に上陸。北インド洋で発生した熱帯低気圧としては、過去最強の勢力にまで発達した。上陸時の風速は約70m/s、ベンガル湾で記録された最も強力なサイクロン。
サイクロンなどの自然災害にさらされ、貧困地域として見向きもされない状況にあったが鉄鉱石を初めクロムや石炭などの鉱物資源が豊富に存在することが判明。アルセロール・ミッタルや韓国最大の製鉄会社であるポスコなど大手製鉄企業が進出。鉱区には先住民が住んでいるケースが多く、強硬な立ち退きなどの課程では先住民の死亡といった事態も起こっている。
#魔女狩り
「魔女狩り」でも話題となった。2019.01.31。「黒魔術」を使ったとされる女性とその子ども4人が殺害された。ニューデリー(CNN)。「黒魔術」を使ったとされる女性とその子ども4人を殺害し、村の井戸に遺体を投げ捨てたとして男6人を逮捕したと発表。地元警察当局者によると容疑者のうち5人は同じ家族のメンバーでもう1人はまじない師だという。
6人は女性の家に侵入し、この女性と生後10カ月から12歳までの子どもたちをバールで殴って殺害した疑い。翌日帰宅した夫が犯行の跡に気付いて通報した。警察が現場の血痕をたどり、井戸から遺体を発見した。
男たち5人の家では前年12月、12歳の娘が病死。一家から相談を受けたまじない師は、村に魔女がいるせいだと主張した。一家はこれを受け、被害者の女性に抗議していた。その後、家族の中にもう1人病人が出たために犯行を決意したとされる。
6人は殺人と犯罪の共謀、魔女狩りの容疑で逮捕された。オリッサ州やジャルカンド州などインド東部の農村地帯では、住民らによる魔女狩りの例が後を絶たない。当局の統計によると、2016年に魔術を使ったとして殺害された被害者は134人に上ったとのこと。オリッサ州では13年、魔術を理由にした中傷や嫌がらせに最大で禁錮3年の刑を科す法律が制定された。
以下引用。『オリッサ州の農村部および都市部における青年の結婚観』。農村青年は10人中9人が見合い婚を考えており、経済的なことなどからダウリーを要求するとした。女子学生も4人中3人が見合い婚を考えていた。ダウリーは違法だが、男性側の意識が高くなければ要求してくる、といった回答があった。考察:農村でも学力があれば都市の大学に進学して経済的に成功する道筋があった。一方で女子学生はダウリーのない恋愛婚を選択できても、より失敗しない結婚である伝統的な見合い婚を選ぶのではないかと考えられた。
#古典舞踊
千年の時を超え継承される奉納舞踊オリッサの古典舞踊。インドには数多くの民族舞踊があり、それぞれの土地の文化や風土によって育まれてきた。七大古典舞踊のひとつがオリッシーダンス。クリシュナ神の化身であるジャガンナート神に捧げられる奉納舞踊として生まれ、1000年以上秘儀として伝わってきた。コナーラクのスーリヤ寺院をはじめ、オリッサの各寺院に彫られた彫刻と同じ動作が伝わっていることから、「生きた彫刻」と呼ばれる。装飾にはオリッサの銀細工、衣装にオリッサの絣のサリーが使われる。
マハリと呼ばれる巫女たちによる奉納舞踊オリッシーダンス。その前身ゴティプアダンスは少年たちによるアクロバティックな大衆舞踊。
#ポップな神様
ジャガンナート(Jagannath)ヒンドゥ4大聖地の一つ。一番ポップでカオスな神様。大きく目を見開く芸術的センス。
同志社大学政策学部の川井ゼミと川口ゼミは、2020年2月24日から3月15日まで、「インドのスポーツとジェンダー」をテーマに、インドでフィールドワークを行った。JICA(国際協力機構)と同志社大学ラグビー部がインド・オリッサ州で行っている共同プロジェクトにも参加し、ラグビーを通して、現地の子供たちと交流。
以上まとめると。。。。
#ミサイル発射場
#カリンガ合戦
#怪魚ウモッカ
#サイクロン
#魔女狩り
#古典舞踊
#ポップな神様
やはり海とのかかわりが根底にあるように感じる。
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