【インドの文化】ヴェーダ

サンスクリット語で「知識」という意味。紀元前1000年頃から紀元前500年頃にかけてインドで編簒された一連の宗教文書の総称。古代インドのバラモン教の経典。成立年代順に『リグ−ヴェーダ』『サーマ−ヴェーダ』『ヤジュル−ヴェーダ』『アタルヴァ−ヴェーダ』の4つがある。口述や議論などを経て、後世になって書き留められて記録された。サンヒター(本集)に付属して、ブラーフマナ(祭儀書、焚書)、アーラニヤカ(森林での祈祷書)、ウバニシャッド(奥義書)が作られた。

「ヴェーダ詠唱の伝統」は、ユネスコ無形文化遺産保護条約で「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」として2009年9月の第1回登録で正式に登録された。

インドの聖典はシュルティ(天啓)とスムリティ(聖伝)に分かれる。ヴェーダはシュルティに属する。古代のリシ(聖人)達によって神から受け取られたと言われ、シュルティ(天啓聖典)と呼ばれる。

ヴェーダは口伝でのみ伝承されて来た。文字が使用されるようになっても文字にすることを避けられ、師から弟子へと伝えられた。後になって文字に記されたが、実際には、文字に記されたのはごく一部とされる。

スムリティ(聖伝)は、ヴェーダとは区別される。スムリティには、『マハーバーラタ』・『ラーマーヤナ』・『マヌ法典』などがある。

スムリティには、6種のベーダの支分もある。聖仙の神秘的霊感によって感得された神の啓示とみなされる天啓文学のベーダを正しく学び,理解し,伝承するための補助学である。6種とは音声,祭式,文法,語源,韻律,天文である。祭式の綱要書は『カルパ・スートラ』である。

サンヒター(本集)は中心的な部分で、マントラ(讃歌、歌詞、祭詞、呪詞)により構成される。

ブラーフマナ(祭儀書、梵書)は紀元前800年頃を中心に成立。散文形式で書かれている。祭式の手順や神学的意味を説明。

アーラニヤカ(森林書)は人里離れた森林で語られる秘技。祭式の説明と哲学的な説明。内容としてブラーフマナとウパニシャッドの中間的な位置。最新層は最古のウパニシャッドの散文につながる。

ウパニシャッド(奥義書)は哲学的な部分。インド哲学の源流でもある。紀元前500年頃を中心に成立。

狭義では、サンヒター(本集)のみを事をヴェーダと言う。

『リグ・ヴェーダ』ホートリ祭官に所属。神々への韻文讃歌集[3]。インド・イラン共通時代にまで遡る古い神話を収録。全10巻。

『サーマ・ヴェーダ』ウドガートリ祭官に所属。『リグ・ヴェーダ』に材を取る詠歌(サーマン)集。インド古典音楽の源流で、声明にも影響を及ぼしている。

『ヤジュル・ヴェーダ』アドヴァリュ祭官に所属。散文祭詞(ヤジュス)集。神々への呼びかけなど。『黒ヤジュル・ヴェーダ』、『白ヤジュル・ヴェーダ』の2種類がある。

『アタルヴァ・ヴェーダ』ブラフマン祭官に所属。呪文集。他の三つに比べて成立が新しい。後になってヴェーダとして加えられた。

 

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