春の祭り
ホーリーは、インドやネパールのヒンドゥー教の春祭り。春の訪れを祝い、誰彼無く色粉を塗りあったり色水を掛け合ったりして祝う。もともと豊作祈願の祭りであったが、その後クリシュナ伝説などの各地の悪魔払いの伝説などが混ざった。色粉や色水を掛け合う由来は、カシミール地方の伝承でこの日に人家に押し入ってくる悪鬼ビシャーチャを追い払うため泥や汚物を投げつけたのが始まりとされる。そのため黄色は尿、赤は血、緑は田畑を象徴すると言われている。
インド暦第11月の満月の日の午前中がクライマックスで前日から色粉の掛け合い等を始める。太陽暦では3月で祭りは2日間に渡って行われ1日目をホーリー、2日目をドゥルヘンディと呼ぶ。
祭りの前週から繁華街には色粉や水鉄砲を販売する露店が多数出る。人々は色粉等を購入して準備する。当日は他のヒンドゥー教の祭りと異なり特定の神に対する祭礼は無く、地域の人達が集まって祭りが始まる。男女のグループがファグアーと呼ばれるヒンドゥー教の神々や現実の男女の愛情を表現する歌を掛け合いで歌う。
ホーリカー・ダーハと呼ばれるホーリカーの神話にちなんだ焚き火を燃やし、悪霊を焼き幸福を祈願する。友人知人はもとより通りがかった見知らぬ人にまで、顔や身体に色粉を塗りつけたり色水を掛け合ったりする。最初は特定の色を額に塗る程度だが、次第にエスカレートして顔全体や体中が色だらけになってしまう。ホーリー当日だけは盛大に飲む人が多い。
小西正捷は各地の事例をまとめ、ホーリー祭を構成する6つの共通する要素をあげた。①祝火(ホーリー・ジャラーナー)およびそれをめぐるさまざまな儀礼や習俗
②色の粉や色水、もしくは泥や泥水をかけあうこと
③性的標徴の開示およびそれに伴う放埒、ないしは無礼講
④模擬戦もしくはそれに類する儀礼
⑤なんらかのかたちで「ぶらんこ」とかかわる儀礼
⑥「ホーリー王」の演出・行進
今年のフェスティバルは、3月28日に始まる。祭りは冬の終わりと春の始まりを示す。おいしいスイーツを調理する。歌ったり踊ったり、太鼓を演奏したりする。ホーリーは、インドだけでなく、南アジアの他の場所、さらにはアジア以外のいくつかのコミュニティでも祝われる。スリナム、ガイアナ、トリニダード・トバゴ、南アフリカ、モーリシャス、フィジー、マレーシア、英国、米国、オランダ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドが含まれる。
ウッタラーカンド州のルドラプラヤーグ県のいくつかの村では約150年ほどホーリー祭を祝っていない。地元の女神、トリプラスンダリーは騒音や騒ぎが好きではないというのが地元の信念。地元の人々は騒々しいホーリー祭を控える。
タミルナードゥ州に住む人々は、北インドの住民ほどホーリー祭を祝うことはない。満月の日に当たると、タミル人は天の存在や先祖が地上に降り立つと考え、神聖な川や池、水槽に浸かる神聖な日だと信じている。観光客のために、ホーリー祭が開催されるところもある。
ホーリーといえば、日本ではファイナル・ファンタジーの白魔法の一つ。『FFVII』の究極の白魔法「ホーリー」は、星を救ったり破壊したりする力を持つ。
自己犠牲に注目した分類もある。
この季節、日本は花見。インド桜と呼ばれるのが、ジャカランダ。デリーの春は爽やかな季節である。ブラジル、アルゼンチン、ボリビアなどの原産で、世界の3大花木の一つ。ブラジルでは国樹。ハワイ桜とか紫の桜ともいわれる。
酷暑の前に葉を落とし、雨季に入ると一斉に芽を出す。ジャカランダが散る頃、代わりに火焔樹の真紅の花が咲き始める。火焔樹の赤が散り始める頃、ゴールデン・シャワーの真黄色の花が枝垂れ桜のように垂れ下がって咲く。だからシャワー。
春の祭りのあとには酷暑が待っている。
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