公用語化反対【チェンナイ】

チェンナイはタミル・ナードゥ州の州都。南インドの東側コロマンデル海岸沿いの世界都市。第4位の都市。1996年にマドラスからチェンナイとなった。「南アジアのデトロイト」「インド銀行業の首都」。

カラークシェートラはチェンナイの南部にある芸術学校。南インドの古典舞踊や古典音楽、絵画・彫刻・陶芸なども習うことができ、インドだけでなく海外からも学生が集まる上皇・上皇后の2013年のチェンナイ訪問時にはここで南インドの古典舞踊バラタナティヤムを鑑賞した。

カパーリーシュヴァラル寺院はパッラヴァ朝の王により7世紀に建立。その後、チョーラ朝、パーンディヤ朝、ヴィジャヤナガル王国などの諸王朝に治められていた。1522年ポルトガルがこの地の近くに要塞を建設した。イエスの使徒の一人聖トマスに因んで、サン・トメ要塞と名付られた。1639年、イギリス東インド会社がチェンナイから「マドラス」と改名。第一次世界大戦中には、石油貯蔵庫がドイツの軽巡洋艦エムデンによって砲撃され、中央同盟国によって攻撃されたインドにおける唯一の都市となった。

1965年から1967年には、インド全土のヒンディー語公用語化に反対する拠点となる。スリランカ内戦に伴い、マドラスでは時折政治的な暴力事件が発生。1984年にタミル・イーラム解放のトラによって空港に仕掛けられた爆弾により33人が殺害された事件を始め、1991年にはイーラム革命的解放人民戦線のメンバー13人と民間人2人が殺害されるなどの事件が発生している。

2004年にはインド洋大津波の被害に見舞われ、多数が死傷、海岸線も変化した。2015年12月には大洪水が発生し、269名の犠牲者を出した。また翌2016年の12月にはサイクロン・バーダーが非常に強い勢力を保ったまま直撃し、甚大な被害をもたらした。

ケッペンの気候区分でサバナ気候に属す。チェンナイは熱赤道上に位置。年間を通じて暑く、湿度も高い。

フォーブス誌においては世界で最も成長が早い都市トップ10 (Forbes-Top 10 Fastest Growing Cities in the World) にインドの都市として唯一選出されており、フォーチュン誌が選出するインドの上位500企業もムンバイ、デリー、コルカタに次いで多く所在している。ヒュンダイ、フォード、日産自動車といった自動車メーカーとその関連企業が進出している。インド最大のタイヤメーカーであるMRFタイヤの本社も同地に所在する。IT関連企業の進出もさかんで、最近はノキアが新工場を建設している。

都市圏内バスは2773台のバスで375路線の運送を行っており、一日当たり約420万人を運んでいる。郊外では小型乗合自動車が数多く運行している。また、「ミニキャブ」(Mini Cabs) という愛称を持つ小型ミニバンの路線運行も都市圏内外で行われている。

チェンナイには2つの終着駅がある。一つはインド各地の都市と結ばれている地域最大の終着駅チェンナイ中央駅、もう一つはタミル・ナードゥ州各地を結ぶ鉄道の終着駅であるチェンナイ・エグモア駅である。チェンナイ・メトロの建設も州政府によって推進されており、JICAの支援を受けている。共通テストでは合格率がインド全土で最高である。

インドを感じさせる都市チェンナイ。

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