マンゴー インドの食
マンゴーは実をつけるまでに10年かかる。植えた人がその果実にありつくことはない。マンゴーはカルマの果物。桃栗三年柿八年マンゴー10年ゆず十八年。アームケペールカパルアプネーリエナヒン、ドゥシェケリエ。日本では一石二鳥。インドでは一石二マンゴー。
新型コロナウイルスで学校に行けなくなったインドの少女がマンゴーを売ってスマホを買った。オンライン授業に参加できるようになったとのこと。ジャールカンド州南東部にある工業都市ジャムシェードプルのトゥルシー・クマリさん(12歳)は家族が貧しかった。オンライン授業の促進を行うValuable Edutainment Pvtのマネージング・ディレクターのアメヤ・ヘテ氏が、トゥルシーさんから12個のマンゴーを1つあたり1万インドルピー(約1万5,000円)で購入。
たまたまインドで栽培してみたところ、実はその苗木が、海外では日本の高級フルーツとして知られている宮崎マンゴーであることがわかった。
マンゴーは、ウルシ科の果樹。栽培は古く、紀元前のインドで始まっている。仏教では、聖なる樹とされる。ヒンドゥー教では、マンゴーは万物を支配する神「プラジャーパティ」の化身とされている。「芒果」は東南アジアの言語からの音写。仏典の奄羅は、サンスクリットのアームラの音写。
原産地はインドからインドシナ半島周辺と推定されている。一つの種から一個体繁殖する種類はインドのアッサム地方からチッタゴン高原辺りと考えられている。インドでは4000年以上前から栽培が始まっており、仏教の経典にもその名が見られる。日本では沖縄県・宮崎県・鹿児島県・和歌山県・熊本県で主に栽培されている。
マンゴーの木は常緑高木で、樹高は40メートル以上に達する。開花後に強烈な腐敗臭を放ち受粉を助けるクロバエ科などのハエを引寄せている。マンゴーの原産地の熱帯地域は、ミツバチにとって気温が高すぎるため、マンゴーは受粉昆虫としてハエを選んだと考えられている。日本のハウス栽培ではミツバチをビニールハウス内に飼っている。
マンゴーはウルシオールに似た「マンゴール」というかぶれの原因となる物質が含まれている。ジュース・ピューレ・缶詰・ドライフルーツなどにも加工される。香港ではマンゴープリンが有名。未熟果を塩漬け・甘酢漬け・チャツネにする。東南アジアでは未熟果に唐辛子入りの砂糖塩につけて食したり、炒め物などの料理に使用したりする。ビタミンAやβ-カロテンが多い。
インドではマンゴーの未熟果実を乾燥させ粉末にしたものはアムチュールと呼ばれ、酸味付けのスパイスとして使用される。ガラムマサラにアムチュールを加えた複合スパイスはチャットマサラと呼ばれ、インド料理では広く使用される。
インドは世界最大のマンゴー生産国。年間収穫量は約160万トン。500以上の品種が栽培されている。マンゴーの王と呼ばれるアルフォンソ・マンゴーは、3月から5月にかけて実り始め7月頃に終わる。甘く特有の香りがある。雨期の数ヵ月前に数日間雨が降り、その雨により一気に熟する。この雨をマンゴー・レインと呼び、デカン高原では4月中旬から5月初旬に降る。雨期が始まる6月中旬で、アルフォンソ・マンゴーの季節は終わる。
デーヴガル産のアルフォンソ・マンゴーが最高だと言われ、実が大きく味が濃い。2006年より条件付で日本への輸入が解禁された。ベンガル地方で古くからマンゴーの葉のみを食べさせた牛の尿から黄色顔料インディアンイエローを製造していたが、牛が飢餓状態になるため動物虐待として1908年に取引が禁止された。
ハウス栽培を行う目的は高い気温の確保ではなく、マンゴーの開花時期が日本の雨季と重なるため、水に弱いマンゴーの花粉を雨から守り受粉をさせる。
日本では植物防疫法によって、侵入を警戒する農業大害虫のミバエ類が発生している国・地域からのマンゴーの生果実の輸入は原則として禁止されている。蒸熱処理や温水に果実を漬ける温湯浸漬という工程が用いられ熱帯産果物の一種として日本の社会に浸透した。日本国内ではおよそ3000トンのマンゴーが生産され品種はほぼ全てがアーウィン種。
魚を3枚におろすように縦から包丁を入れ、切った面にさいの目状に切り目を入れ両手で皮を押して果肉を反り返すと花のような形になる。クラブハウスで議論した。
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