直行便

駐在していた時期は、やっと首都デリーへの直行便ができたばかりのころだった。バンコク経由で一休みするのもいいが、やはり直行便のほうが疲れない。チェンナイ、ベンガルールと直行便が次々に生まれている。週一なんかではない。
 日本航空がデリー線の開設を運輸省に申請したのが1996年6月6日。機材はMD―11型機の二百三十三席。デリーへの直行便は日本の航空会社で初めてのことだった。
 その日本航空は2019年10月30日、2020年3月29日に成田空港とインド南部ベンガルールを結ぶ直行便を就航すると発表した。運航は毎日1便。日本間の往来需要を見込むものだ。往路は日本時間の午後6時15分に成田を出発し、翌午前0時35分にベンガルールに到着する。復路は午前2時45分にベンガルールを出発し、午後2時15分に成田着。機材はボーイング「787-8」を使用する。JALは「成田を経由してインド南部と北米地域を往来する利用者にもスムーズな乗り継ぎを提供する」としている。インド屈指のIT産業集積地とアメリカを結ぶハブに日本がなるということなのか。
 インド南部との直行便は、全日本空輸(ANA/NH)が2019日10月27日、成田-チェンナイ線の運航を開始したばかり。こちらは週3往復運航。ANAのインド路線は3路線となった。こちらも機材はボーイング787-8型機(3クラス169席:ビジネス46席、プレミアムエコノミー21席、エコノミー102席)を投入。南インド行きは乗り継ぎで、15時間から16時間程度かかっていたが直行便で9時間台になった。
 日本との関係は拡大の一方だ。
 中国、インド両国が直行便の運航を可能にする覚書に調印したのは1997年6月。両国は1988年に航空協定を結んだものの、航路設定などの問題から実現せず、空路による往来は、第三国・地域経由でしかできなかったが、この覚書で、インドから北京や上海に、中国からはニューデリー、ムンバイに航路が拡大した。
 パキスタンとの間では、テロ対策などもあり、私が駐在していたころには首都への直行便がなかった。イスラマバードに取材に行く際は毎回ラホールを経由していた。インド・パキスタン両国政府が、航空協定を結び、両国の首都を結ぶニューデリー―イスラマバード直行便の開設が可能となったのは2008年2月15日。週十二往復を運航している両国間の航空便を同二十八便に増やすことで合意し覚書に調印した。その際に、パキスタンからチェンナイへの新規乗り入れも承認した。これにより、航空便増設で民間・経済交流の拡大を目指した。カシミール情勢などで、影響を受けないことが望まれる。

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