コロナ禍で在宅の人が増えてトレンド入りした甘いラッシーの作り方とカルピスとの違いを調べてみました

この時期、乳酸菌で抵抗力ということだ。ただ飲むヨーグルトとどこが違うのか。砂糖入りのヨーグルトを水で薄めたものとどこが違うのか。そう聞かれると、違いはない。だから作るのも簡単。運動不足で持たれ気味の胃や腸がすっきりする気がする。ラッシーは、インド料理の飲物。犬の名前ではない。ダヒと呼ばれるヨーグルトをベースに作られる。ダヒは乳酸菌で凝固する。ヨーグルトとほとんど同じ。牧畜文化が生んだ食材でそのまま食べたり、ダヒーをベースにしたサラダの様なライタにしたりする。ラッシーにするほか、肉や野菜の煮込み料理にも用いる。
 一番ポピュラーなのが砂糖で甘みがついているミーティー・ラッシー。ナムキーン・ラッシーは薄い塩味がついている塩ラッシー。ケーラー・ラッシー(バナナ入り)、アーム・ラッシー(マンゴー入り)、ニンブー・ラッシー(レモン入り)など、果物のバリエーションも多い。高級なのはサフラン入りのケーサル・ラッシー。スパイスのクミンが入ったものがズィーラー・ラッシー。お馴染みのミントの葉を乗せたプディーナー・ラッシー。チャースはラッシーに似ているがより水分が多く脂肪分が少なく塩味。
 氷をいれたボウルにヨーグルトを加え、ミルクと混ぜる。氷は解けて水になり攪拌効果がある。専用の攪拌棒を使ってもよいが混ざればそれでよし。砂糖は白でも黒でも良い。果物の場合は最後にミキサーで混ぜる。

 ヨーグルトは家畜の乳房のまわりの乳酸菌で発酵して生まれた。製造過程でかきぜることからトルコ語の撹拌するという動詞が語源とされている。日本では「酪」「酥」「蘇」「醍醐」などとして生産された。「醍醐」は美味で「醍醐味」という言葉が生まれた。ヨーグルトドリンクは世界各地にあるがラッシーのように甘いものは少数派。カルピスはその仲間になる。乳酸菌飲料を製品化したカルピスの原型が生まれたのは大正8年のことで始めは「醍醐味」という名前だったとのこと。脱脂乳に砂糖を混ぜカルシウムを加えたカルピスは「カル」と、サンスクリット語で「醍醐味」を表す「サルピルマンダ」を掛け合わせた命名とのこと。原液を水で薄めて氷を浮かべる庶民の夏の飲み物になった。ヤクルト菌(ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株)を用いて昭和10年に生まれた「ヤクルト」も日本の甘い乳酸菌飲料だ。大人から子供まで、ヤクルトを飲んでコレラや赤痢を防いだ。
 インドには牛乳を用いたデザートもある。クルフィは風味付けした牛乳を煮詰めて凍らせた氷菓。アイスクリームより濃厚で泡立てないので少し硬い。練乳を凍らせたような感じで融けにくい。ピスタチオ、ローズウォーター、サフラン、カルダモン、カシューナッツ、アーモンドなど、様々な風味がある。ペルシア語で「覆われた器」を意味するクフリに由来し陶器に入れて凍らせていただくことも多い。時間をかけて凍らせて作られるため、氷の結晶ができず滑らかな口当たりになる。

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