新型コロナウイルスの大型の第一波がまだ拡大中のインドで懸念される医療崩壊になれば世界経済は調整弁を失う

病院には何千もの人々が詰めかけている。ニューデリーとムンバイでは病院が受け入れてくれないよう自体にもなっている。世界で2番目に人口の多い国がインド。新型コロナウイルスのパンデミックに早め早めの対処で厳しく取り締まってきたが、悲惨な状況が浮上している。インドでは30万件近くの感染者がいるがその数は一日一万と急速に増え続けている。

 日本人も残っている2800万の人口を抱えるインドの首都ニューデリー。新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化している。2020年6月11日時点で3万2800人以上が感染し、980人超が死亡。7月末までに現在の約17倍の累計55万人まで増えるとの予測もある。厳しい封鎖措置を段階的に緩和してきたが、ロックダウンのやり直しの声も聞こえる。
 医療崩壊の危機が迫っている。首都では8万床のベッドが必要なのに対して準備数はまだその1万にも満たない。マハラシュトラが最大の感染州だったが、ニューデリーもその後を追う。
 混乱の原因の一つは、州と中央政府の権限の役割分担。日本でも起きた同じような光景は記憶に新しい。中央政府は5月30日の声明で「地方政府が独自に規制しない限り」一段の封鎖解除措置を取ると発表。インドは州により事情が大きく異なる。州も都市部と農村部では天と地ほど異なる。ポイントは都市部と農村部がつながる経済構造ができてしまっていたことだ。労働者や農作物をつなぐ物流と州越えの移動。地方政府の中には封鎖延長を決めたところもある。

 グジャラート州はモディ首相の地元の州として成長の模範生の州として注目されてきた。ところが、死亡率が飛びぬけて高い。インフラの整備が医療にまでまだ及んでいない。進出企業の中には活動を再開するところもあるが、前途は多難だ。駐在員が帰国する中で、これからはインド人幹部に任せるのがニューノーマルになるのか。ドイツの企業はその方向だが、そのインド人も在宅が中心という実情もある。
 新型コロナウイルスはすでに変異の可能性も指摘されている。人口大国が繁殖し毒性や抵抗力を増したウイルスが生まれることは想像もしたくない。インドの政治の危機も経済の崩壊もまったくないとは言い切れない。それは世界経済が調整弁を失うことを意味する。

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