なぜTikTok禁止のインドでフェイスブックがショートビデオを始めるのか?【Instagram Reelsの行方】

国境紛争が続く中国への対抗措置の一つと目されているインド政府のプライバシー上の懸念を理由としたTikTokを始めとする数十種類の中国製アプリを禁止。インドではTikTokはかなり浸透していたからショート動画を見たい欲求をどうするのかと思っていたら、しっかりしているのがフェイスブックだ。傘下のInstagramがショートビデオアプリのReelsをインドでテストすると発表。そう出てくるかと関心したが、うがってみると誰が書いた筋書きだったのかと考えさせられる。外交を動かすほど中国はデータ社会に食い込んでいたし、インドの個人情報は中国をどかせてても欲しい市場ということになる。Instagram Reelsはブラジル、フランス、ドイツでもテストが行われているとのこと。
 フェイスブックは2020年6月にインドの大手音楽レーベルSaregamaと契約。有力レーベルであるYash Raj Films、Zee Music Company、T-Seriesなどとも契約。音楽ソフトとの相乗効果を狙う。Saregamaは10万曲以上のインド音楽、インド映画のサウンドトラック、インディポップなどをカバーしている。禁止前TikTokが持っていたインドの2億人以上のユーザーを一気に取り込むのか。インドのビデオ共有アプリであるRoposo、Chingari、Mitronも注目される。RoposoはTikTok禁止後の2日間で2200万人のユーザーを獲得した。

 ポンペオ米国務長官は2020年7月6日、TikTokなど中国企業のSNSアプリを、使用禁止とすることを検討していると明らかにした。アプリを利用することで個人情報が中国共産党に渡る恐れがあるとの認識を示した。フォックスニュースのローライングラハムへのインタビューで「これは非常に真剣に受け止めている」。TikTok側はユーザーデータを中国政府に提供したことはないとしている。

 TikTokは、中国のByteDance社が開発運営している。音符状のロゴ。「抖音短视频」はビブラート+ショートビデオ。BGMをリストから選択し撮影した動画にBGMを組み合わせて編集しオリジナルの動画が作成できる。2017年11月9日、TikTokの親会社であるByteDanceがアメリカのmusical.lyを買収。日本では2018年、新語・流行語大賞で「TikTok」がノミネートされた。
 2019年12月、アメリカ政府はTikTokによる国家安全保障上のリスクから軍関係者に政府支給の端末でのTikTokの使用を禁止。2020年2月23日には運輸保安庁(TSA)の職員に対してもTikTokの使用を禁止した。2019年9月、チベット独立や天安門事件、法輪功に関する投稿について検閲があるとガーディアンが報じている。香港では2020年7月7日、中国が香港で国家安全維持法が施行され香港市場からの撤退を表明。
 2019年4月6日、インド南部タミルナドゥ州都チェンナイの高等裁判所は、インド中央政府に対しTikTokのダウンロードを禁止するよう命じた。アプリがポルノを助長し、青少年の精神の健全性を損なうと裁定。2020年6月29日、インド電子・技術省がTikTokの使用を禁止。
 熾烈な個人情報争奪戦に日本は追いついていけるのだろうか。

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