『王になろうとした男』を演じたショーン・コネリー死去【物語でもこの地域の王は英国人俳優でなければ演じられない】

2020年10月31日、人気スパイ映画「007」シリーズの初代ジェームズ・ボンド役で人気を博した英スコットランド出身の俳優ショーン・コネリーが、滞在先の大西洋の島国バハマで死去したと伝えられた。90歳。英国を代表する名優。「アンタッチャブル」でアカデミー賞助演男優賞を受賞。「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」など日本でも知る人は多い。
 1930年、英スコットランドのエディンバラに生まれ、スコットランド独立運動の熱心な支持者。エリザベス英女王からナイトの爵位を受けた際、スコットランドの民族衣装キルトを着て授与式に出席した。
 ボリウッド俳優のランヴィール・シンは、亡くなった故ハリウッドの伝説的なスターに敬意を表した。Instagramにジェームズ・ボンドの俳優の象徴的な写真を共有した。 「私たちは永遠にあなたを愛している」。
 ショーン・コネリーは妻とバレンタインデーをタージ・マハルを訪れて過ごした。カップルは2007年にインドを訪問。妻はミシュリーヌ・ルケブルン。タージ・マハルは愛の象徴。引退後の滞在に五つ星ホテルにファンが集まった。「タージ・マハルの前庭で妻と一緒にバレンタインデーを過ごしたこの日を決して忘れない」。
 映画『王になろうとした男』(The Man Who Would Be King 1975年 米・英)は代表作のひとつ。多人数の山岳民族風のエキストラが動員された。ジョン・ヒューストン監督は1950年代から、クラーク・ゲーブルとハンフリー・ボガードを主演に本作の映画化を計画していた。1957年にボガードが死去、ゲーブルも1960年に追うように死去。バート・ランカスターとカーク・ダグラス、リチャード・バートンとピーター・オトゥールに主役が変更され、ロバート・レッドフォードとポール・ニューマンも検討された。ポール・ニューマンは「英国人俳優」をヒューストンに助言したという。

 『王になろうとした男』はラドヤード・キップリングの小説の映画化作品。ショーン・コネリーとマイケル・ケインが演じる、王になることを夢見た二人の英印軍退役軍人がアフガニスタン辺境部の国カフィリスタンを冒険する。ドレイボット(ショーン・コネリー)はカーネハン(マイケル・ケイン)とアフガニスタンを横断し大河を超えて雪山に入り行く手を阻まれるが雪崩によってクレバスが埋まり二人はカフィリスタンに入国する。カフィリスタンに到達した二人は、女性を襲う仮面の部族に出くわし、マルティニ・ヘンリー銃で部族を追い払う。部族の城には英語を話すインド軍所属のグルカ兵のビリー。地形調査隊の一員としてカフィリスタンを訪れていた。二人はビリーを仲間に引き込み部族にイギリス式の軍事訓練でカフィリスタンの征服を企む。ドレイボットの胸に矢が命中するがベルトに当たり命拾いするのを見た部族たちはドレイボットが伝説で語られるかつてカフィリスタンを征服した神シカンダー(アレクサンダー大王)の息子だと信じる。「シカンダー2世」としてカフィリスタン王に即位したドレイボットは人々から崇められ、将軍になったカーネハンと共にシカンダーが残した莫大な財宝を手に入れる。カーネハンは、「雪解けを待ち、財宝を手にインドに戻ろう」と提案するが、王座の魅力に憑りつかれたドレイボットはカフィリスタンに留まることを選択する。

 啓蒙史観たっぷりのストーリー。 この地域の王を演ずるのは英国人でなけかれならないといったポール・ニューマンはユダヤ人の父とカトリックの母を持つアメリカ人。

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