中国がブータン領内に集落建設と報道【インドはアプリ禁止の追加措置】
インド民放テレビNDTVが2020年11月22日、中国がブータンの領内に約9キロ入った地点まで道路を造成したと報じた。集落も建設。衛星写真が公開された。2017年に中国軍とインド軍がにらみ合ったドクラム高原から東に10キロもない。北部ラダック地方の係争地域で中国との軍事的緊張が続いている。ブータンはインドの影響力が強く実質上はインドと中国の対立だ。
2017年6月には中国が道路の建設を開始しブータン政府が抗議。インドがドクラム高原に部隊を派遣。中国側も部隊を派遣し両軍が約2カ月にわたってにらみ合う事態となった。モディ首相と中国の習近平主席が2018年4月に武漢で会談し緊張緩和で合意した。NDTVによると中国国営中央テレビ(CCTV)系列の国際放送局のプロデューサーが今月、ツイッターに集落の写真と地図を投稿しその後ツイートは削除された。
衛星画像に映るドクラム高原の東部周辺のブータン領土内の「村」は2 km以上にわたって続いている。中国側はシッキムとドクラムの境界にあるインド陸軍の駐屯地の近くにある既存の道から尾根にアクセスしようとしていた。これとは別にい中国側は国境から南に伸びるトルサ川のほとりに沿って新しい道路を建設。
中国の国営メディア系列のCGTNのシニアプロデューサーの実名も報じられている。ShenShiwei。川沿いの村の画像を公開した。ツイート「今、私たちは新しく設立されたパンダ村に永住者が住んでいます。それは谷に沿っています。これが場所を示す地図です」
ドクラム地域の近くの中国の軍事貯蔵バンカーらしきものもある。ブータン側は「ブータン内には中国の村はない」と否定。中国外務省は公式の立場を示さず、インド外務省もコメントをこの時点で出していない。
インドメディアの原文では国境付近の中国側に「Revetted storage bunkers」というのがある。掩体壕なら戦車かヘリを格納することもできる。ドクラム高原は両側から挟まれた形。
この時期にインド側は、中国の43以上のモバイルアプリを禁止した。インドはこれまでに170以上のアプリを禁止している。ユーザーのデータを収集して脅威を与える可能性があるとしている。過去の禁止はインドの技術大臣が「デジタルストライキ」と呼んだ。6月に国境地帯で中国軍との小競り合いで20人のインド兵が殺害された後に行われた禁止措置が何度か続いている。
インドの中国大使館は禁止に「断固として」反対。Agilentは、WalmartIncのFlipkartとAmazon.comIncのローカルユニットが主導する。安い商品を調達し一部のオートバイ愛好家や小さな店主に人気がある。インドのフィンテック企業Paytmへの最大の投資家であり、オンライン食料品店BigBasketも支援している中国の巨人Alibabaにとっては打撃となる。インドの多数のアプリ禁止は、急成長するインターネット経済に対する北京の影響力を減らそうとしているもの。BytedanceやTencentなどの中国のハイテク巨人にも衝撃を与えている。
アリババの電子商取引(EC)サイト「アリエクスプレス」やテンセント系の動画配信サービス「We TV」のほか、異性を紹介するマッチングアプリなどが対象となった。インドは6月に動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」など59アプリを、9月にネット検索最大手の百度(バイドゥ)のサービスなど118アプリを禁止している。今回で合計220のアプリが禁止された。一部メディアによると、アプリを禁止されたアリババ傘下企業はインドの従業員の9割を解雇との情報もある。
インドは世界第2位のインターネットマーケットである。インドはここ数カ月で隣国である中国に関係する175超のアプリを禁止してきた。「インドの主権の保全、防衛、国防、治安を損なっている活動に従事しているこうしたアプリに関する考えに基づいてこの措置を取ることにしました」とインドのIT大臣。
禁止されたアプリには、このところランキングでトップになっていた人気のショートビデオサービスSnack Video、eコマースアプリAliExpress、配達アプリLalamove、買い物アプリTaobao Liveなどが含まれる。PUBG MobileやTikTokといったアプリはインドでの復活を模索している。インドのスタートアップで中国の投資家の存在感は減っている。
ツイッターに掲載されて消えた衛星写真と情報を盗むとされるアプリでサイバー戦が続く。