【インドの州】4:ビハール州
ビハール州の州都パトナは古都パータリプトラ。古代に栄えたマガダ国はビハール州の辺りに位置していた。仏陀が悟りの境地に至ったブッダガヤがある。マウリヤ朝が都をパータリプトラに定めグプタ朝でもパータリプトラが都とされた.ムガル帝国による支配を受けイギリス植民地。2000年にジャールカンド州がビハール州から分離した。北部はネパール国境と接し州を横切るようにガンジス川が流れている。2014年、ジタン・ラム・マンジー(Jitan Ram Manjhi)がムサハール出身者で初めての州首相としてビハール州首相を務めた。
マガダ国はマウリヤ朝に至ってほぼ全インドを統一する。マガダ国が繁栄したのは穀倉地帯で、鉄・銅が豊かに産出したことが考えられている。
ビハールの政治家のミーラ・クマールとは東京で会った。平成23年の来日。10月4日、野田首相はミーラ・クマール下院議長と会談した。国民会議派のメンバーとして社会正義・エンパワーメント大臣などを務め、2009年から2014年までLokSabhaの第15回議長を務めた。2017年の大統領選挙でコビンド氏に敗れた。女性のエンパワーメントに熱心だった。インド最初の女性の下院議長。父親はジャジバン・ラム。バブジとして知られる。ビハール州出身のインド独立活動家。1935年に不可触民の平等を達成する組織のAllIndia Depressed Classes Leagueを設立。
仏陀伽耶(ブッダガヤ)はビハール州の古都ガヤの南方にある仏教の聖地。釈迦が悟りを開いた地とされる。紀元前3世紀頃にアショカ王が建立した寺院を起源とするマハーボディ寺院(大菩提寺)がある。釈迦は六年間の苦行ののち、この地の天竺菩提樹の下で悟りを開いた。大菩提寺には石の仏座、復元された大精舎がある。
偶然、最近、NHKこころの時代~宗教・人生~ 「ブッダ最後の旅」に学ぶ。丸井浩先生の解説を聞いた。
ミティラー画は、ビハール州ミティラー、マドゥバニー県とネパールのジャナクプル地方に伝わるインド画。『ラーマーヤナ』の時代に、娘シーターがラーマと結婚する際、父親のジャナカ王が画家たちに書かせたのが始まりだとされている。1967年にビハール州を襲った干魃の救済事業として、時の首相インディラ・ガンディーがミティラー画を紙に描いて売ることを奨励。ミティラー画は布や手すき紙、カンバスに描かれ、アート作品として商品化されている。二次元的画像を使い、色は植物から作った顔料が主で、他に黄土とすすがそれぞれ赤褐色と黒に使われた。主に自然やヒンドゥー教のモチーフを描く。クリシュナ、ラーマ、シヴァ、ドゥルガー、ラクシュミー、サラスヴァティー。太陽や月、「聖なる植物「トゥラシー」(カミメボウキ)。隙間は花や動物、鳥、幾何学的な図形で満たし、空白は作らなかった。その技術は、ミティラー地方の家々で、主に女性によって受け継がれた。ピカソにも影響を与えた。新潟県十日町市にミティラー画を蒐集展示しているミティラー美術館がある。
枠やモチーフの輪郭を二重にし斜線を描いて、絵の具は塗らないようにする。空いているすき間を埋めるように、花や葉っぱなどを書き込む。全部ベタ塗りするのではなく、あえて塗らないところを作る。
アイヌの文様画と通底するものを感じる。