【インドの州】6:ゴア州

 ゴアは小さな州だ。公用語はコンカニ語。
 ゴア州はインド西海岸の州で16世紀から20世紀半ばまでポルトガル領インドの一部だった。マンドウィー河の河口に位置する。天然の良港だったことから貿易港として発展し、14世紀からはイスラム系王朝の下で馬や香料の貿易で繁栄した。1510年、ポルトガル王国のインド総督アフォンソ・デ・アルブケルケが1,000人のポルトガル兵を率いて来航し降伏させた。1530年、ポルトガル領インドの首府はコーチンからゴアに移された。ゴアとリスボンの間には喜望峰経由の定期航路が開かれ1534年にはローマ教会の大司教座が設置されローマ教会において全アジアを管轄する中心となった。ポルトガル海上帝国の首府として「東洋のローマ」と呼ばれる黄金時代を迎えた。ゴアに住むインド人はキリスト教への改宗を強制された。

 1947年にインドがイギリスから独立するとインド政府はポルトガルにも領土の返還を求めたが当時のアントニオ・サラザール政権は応じなかった。ゴアで鉄鉱石が発見され自由貿易港ゴアは再び繁栄の時代を迎えた。1955年、非暴力で領土返還を求めるデモ隊にポルトガルの警察が発砲。インド政府が1961年にポルトガル領に武力侵攻しインドにおけるポルトガルの植民地支配が終結した。1974年のカーネーション革命を経てポルトガルは公式に主権を放棄した。1986年に聖フランシスコ・ザビエルの墓を収容する教会などが世界遺産に登録された。この地の音楽から生まれたゴアトランスはサイケデリックトランスとして世界に広まった。ゴアはインドで最も富裕な州の一つ。

 観光地でもあるが、11月末にカジノでコロナの感染者が出た。マンドヴィ川のオフショアカジノ6軒を含むゴアのカジノに対して、新型ウイルス感染拡大第2波のリスクから今年2度目の営業停止を求める声が高まった。ゴアのカジノが最初に営業を停止したのは3月14日で、その約8カ月後の11月1日に再開していた。

 白砂のビーチや湾曲した海岸線が遠く景色。アラビア海に沈む夕陽。

 マハラシュトラ州とカルナタカ州とアラビア海に囲まれている。インドの州の中で一人当たりのGDPが最も高く国全体の2.5倍。インフラは最高位の州にランク付けされている。生活の質でトップにランク付けされている。パナジが州都でバスコダガマは最大の都市。西ガーツ山脈に位置しているため、豊かな動植物が生息している。ゴアはココナツ栽培でも知られる。アルコールに対する物品税が非常に低いため、ビール、ワイン、スピリッツの価格が安いことでも有名。
 ゴアトランスは電子音楽の1種のトランスの1ジャンル。1990年代始めにゴアで生まれた。1980年代後半にドイツで誕生したトランスがリゾート地でありバックパッカーの聖地でもあるインドの西海岸ゴアで発展した。インド音階やイスラム音階などを用いたメロディや、宗教を思わせるパーカッションや音声をサンプリングし、有機的で民俗的な楽曲が多いのが大きな特徴。

 甘口ポートワインが名物。ポートとはポルトガルのこと。普通アルコール化してしまう糖分を発酵させないようにブランデーをプラスしている。フェニーはゴアの地酒。ココナツとカシューナッツを原材料とする。ソーダで割ってカクテルにする。カシュナッツも有名。

 インド赴任中にはパック入りのゴアワインを楽しんだ。

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