インドの航空会社
インドの航空会社をまとめてみた。
①エア・インディア(Air India)は、インドのデリー、ムンバイを本拠地としている航空会社。インドのフラッグ・キャリア。
イギリスの植民地下にあった1932年に、実業家で飛行家としても知られるジャハンギール・ラタンジ・ダーダーバーイ・タタによって「タタ航空」として設立された。当初はイギリス製のデ・ハヴィランド・プス・モスなどを使用し、国内線を運航した。1946年に現在の社名となり、独立後の1948年にタタ・グループを離れ、インド政府との半官半民体制になった。
2007年にインディアン航空と対等合併し国際線、国内線に就航する最大の航空会社となる。新会社名はインド国有航空会社(National Aviation Company of India Limited)となったが、ブランド名としてエア・インディアがそのまま使用されている。機体に書かれているデーヴァナーガリー文字の社名をそのままカタカナに変換すると、「エーアル・インディヤー」になる。
国営企業としての非効率性は累積債務を生み、2020年段階で80億ドル以上の赤字を抱えている。インド政府は、2020年1月、債務のうち約32億6000万ドルを引き受けることを条件に全株式の売却に向け入札を行っている。以前、経営難によってボーイング787-8の発注を27機から12機まで減らし、さらに他社へのリースも決めていた。しかし最終的には27機全てがエア・インディアに納入されている。世界で5番目のB787カスタマーである。また、経営難のときにボーイング777-200LRを5機、エティハド航空へ売却している。
客室乗務員はサリーを着用、機内食はインド・カレーを提供、機内映画もインド映画を多く上映。機内食のカレーは本格派。インドで食事後に口直しとして出される「リフレッシュミント」(正確にはフェンネル・シード)も付いてくる。2017年、エコノミー席の機内食で肉類を提供しないことを決定。乗客の中心であるインド人にはベジタリアンが多く、機内食の肉類が食品廃棄物になる率が高いことを受けての措置。1955年(昭和30年)5月7日にムンバイから羽田空港に乗り入れを開始。1960年代の早い時期から日本人客室乗務員を採用している。成田国際空港では第2旅客ターミナルを使用している。
②エア・インディア・エクスプレスはコーチを本拠地とする格安航空会社。エア・インディアの子会社。2005年、エア・インディアによって近距離国際線を運航するために設立されたが、現在は中東への航空便を中心に担っている。国内20都市、海外13都市を結んでいる。国内線ではエア・インディアとの住み分けが行われており、国際線は主に中東向けの便を運行している。エア・インディアとはコードシェア便を運行している。
③エア・デカン(Air Deccan)は過去に同じ名称の航空会社がインドに存在したが、2008年以降キングフィッシャー航空と合併しエア・デカンの名称は存在しなくなっていた。実業家であるG. R. Gopinathがエア・デカンブランドを復活させ、2017年12月23日に運行を開始した。
④エアアジア・インディア (AirAsia India) は2013年3月18日に、マレーシアの「エアアジア」と、インドのコングロマリット「タタ・グループ」の出資により設立された。2014年6月12日より運航を開始した。
⑤IndiGo(インディゴ)は2006年に運航を開始した。設立数年で急成長。2006年初めに在米インド人とインド国内企業が出資して設立され、2005年6月に設立準備としてエアバスA320型機を100機を発注。2006年8月4日からニューデリー-グワハティー-インパール間で運航を開始した。LCCの価格の安さなどを強みとして、2010年末にはエアインディアと当時のインド国内トップ3キングフィッシャー航空とジェットエアウェイズらフルサービスキャリアに続く航空会社となり市場シェアも15%以上を有するまでに急成長した。困難な「定時制」「清潔な機内」「十分なサービス」で格安の成長を続けている。
⑥スパイスジェット (SpiceJet) は国内線のみの運航であったが、2010年10月から、カトマンズ、スリランカ共和国コロンボに就航開始し、国際線に進出した。国内線運航が比較的新しい機材によって、高頻度往復飛行での定期運航が行われている。機材の一部には経営破綻した元ジェットエアウェイズの機体で、尾翼のロゴが消され、会社名のみ塗り替えられたものも存在する。
⑦ビスタラ(Vistara)はインドのデリーを拠点に置く航空会社。2014年、インドの大手財閥タタ・グループとシンガポール航空との共同出資で TATA SIA Airlines Limited. が設立された。同年の10月より運航を開始する予定でだったが[1]、延期になり2015年1月9日より運航を開始することになった。運航ブランドはサンスクリット語で「無限の広がり」を意味するVistaarから名付けられた。
日本航空との間でコードシェアの実施とマイレージの提携を2017年に発表した。広告にはボリウッド女優のディーピカー・パードゥコーンを起用、高級感を演出して競合のエア・インディアにサービスの面で差をつけようとしている。2020年2月28日、国土交通省より外国人国際航空運送事業の経営許可を取得、シンガポール航空、シルクエア、日本航空のコードシェア便として運航。
インド航空大手のビスタラの就航は6月に予定されていたデリー―羽田便の就航がコロナの影響「オペレーション上の理由」(同社)で延期されていた。7月7日に就航した。
2021年7月日本に初めてやってきた。ビスタラはどういう航空会社なのか。サービスで対抗していた会社があったがどうなったのか。ビスタラに乗るにはどうすればよいのか。。エアインディアとの比較でいうと今まで成田に来ないとインドに行けなかったのがビスタラのコードで福岡とか新千歳から乗れるようになった。東京五輪で羽田空港が横田基地の制限を緩和し便を増やした。国際線6万回から9・9万回に拡大し、ロシア、イタリアスカンジナビアなどとともにインドにも新規発着枠があり、成田デリー線が羽田に代わった。エアインディアは成田から動くつもりがなく、ビスタラが羽田便ということになった。
デリー発が水曜夜中3時。羽田午後5。出発日と帰国日の離陸時刻が遅いため両方をまるまる使えるお得感がある。8時間。日本着便は偏西風で西から東が追い風が早い。ANAも羽田に引っ越してからはJALと設定になり、この時間帯をメリットに感じる人にとってはビスタラの一択になる。今は週一便だがいずれ毎日運航。
タタが51%SQが49%ののジョイントベンチャー。フルサービスキャリヤ。本社はグルガオン。コードはUK。タタとSQのコンビは90年代に断念。外資49%開放が2013年に航空業界でも認められ2014年からということに。エアーインディアのエコノミーはベジ食になったがビスタラはエコノミでも肉が食べられる。SQエアインディアはANAと同じスターアライアンス。ワンワールド。クラブビスタラをもっているとJAL国内線でもたまる。
ポッドキャストで詳しい方に話を聞いた。ビスタラはタタの航空会社の復帰という悲願。独立後、エアインディアに独占されていたが、LCCエアアジア・インディアに続いて、フルサービスの分野でも「タタ航空」。破綻したジェットもスポンサーが見つかり運行再開の見通し。群雄割拠の航空戦国時代になれば、シャトル便や乗り継ぎなどのネットワークの発想が欠如していたインドの空も大きく変わる。その台風の目となるのか。ビスタラは日本を夕方発で帰りはゆっくり夕飯食べてから。ダイヤが違うメリット。羽田であるメリット。福岡や新千歳からの乗継便。インド国内で上質サービス。JALのマイレージ。メリットは少なくない第4の翼になる。
⑧ジェットエアウェイズ(Jet Airways)は、ムンバイをハブとし民間航空会社の中では大手であった。インドの航空会社。2019年4月17日深夜、資金難により同年4月18日から全便の運航を停止すると発表し、同年6月20日よりインド倒産法による清算手続きが始まった。
1992年4月1日に設立されたジェットエアウェイズは、1993年5月5日に4機のボーイング737-300で商業運航を開始した。ヨーロッパ・北米路線を就航させ、インド第2の航空会社となるなど、国営航空会社のみであったインドの航空業界に影響をもたらした。エア・インディアが欠航率や延着率が高いことがネックとなっていたのに対し、ジェットエアウェイズは高い定時性を売りに、ビジネスマンなど時間に余裕のない顧客から支持を得た。
キングフィッシャー航空とエア・デカンの合併の影響で若干シェアを落としたこともあったが、エア・インディアの14.7%をしのぎ、インド国内でのトップシェアを守ってきた。2006年にエア・サハラを買収してジェットライトに社名変更した。
2019年4月17日燃料費や各サービスにかかる費用を調達できなくなったため、すべての国内線、国際線の運航を4月18日から停止すると発表した。最終便は、アムリトサルを発ち、4月18日にムンバイに到着したフライトだった。ANAもインドへの進出の足掛かりを失う形となった。ジェットの機材がビスタラで使われている。
姿を消した航空会社にはキングフィッシャーもある。ベンガルールがハブ。ユナイテッドブリュワリー。デカン買収で二位に躍り出た。いきなりファイブスターをとって話題になった。ワンワールドに入るという話もあったが経営が悪化し運行停止。日本には来なかった。
コロナが収束すればインドの空の変化も加速していきそうだ。
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