ニュースメモ デジタル通貨

インド政府 が「デジタル通貨」を法定通貨にするという。来年度中に導入ということで予算案説明で明らかにされた。電子的な法定通貨を中央銀行が導入するという方針。シタラマン財務相が2022年2月1日、議会で来年度の予算案を発表した際に「インド準備銀行がデジタルルピーを発行する」と述べた。デジタル経済が活性化し、より効率的な通貨管理ができるという。インド政府や中央銀行は民間企業が発行する暗号資産について金融の不安定化を招くとしていたが、シタラマン財務相は暗号資産の取り引きの利益に対して30%の税金を課す方針を示し国が管理するデジタル通貨の利用を促したものとみられる。中国の中央銀行は「デジタル人民元」の発行に向けて実証実験を進めている。アメリカのFRB=連邦準備制度理事会はサイバー攻撃などのリスクを挙げて慎重に検討。

シタラマン財務相が議会に提出した予算案の年間支出規模は39兆5000億ルピー(約61兆円)。資本支出は35%増え7兆5000億ルピーになる。高速道路網を22年から23年にかけ2万5000キロメートル延伸する計画も盛り込まれた。来年度の財政赤字は国内総生産(GDP)比6.4%となる見通し。予算案の発表を受け、インド10年国債の利回りは上昇した。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-01/R6M4MJT1UM0Z01

予算案では、道路や鉄道など交通が同+51%、都市開発が同+40%と、インフラ投資関連の増加率が大きい。12月に一時6千人台(7日間平均)まで減少していたインドのコロナ新規感染者数は、オミクロン株のまん延で1月末時点では約25万人(同)に急増。一部の都市では夜間の移動制限。 インド政府は予算案発表にあわせ、2021年度経済成長率を+9.2%と経済見通しを改定した。2020年度の実質GDP(国内総生産)成長率は前年度比-6.6%と、過去(1951年度以降)最大のマイナス幅を記録したが、2021年度は同+9.2%と急回復。実質GDP額はコロナ禍前の2019年度を超えると予想している。

https://www.nam.co.jp/news/mpdf/220204_tj3.pdf

インフラ投資計画は「ガティ・シャクティ」政策と呼ばれる。歳出の内訳をみると、インフラ投資を含む資本支出が同35.4%と増加。その約半分が「交通物流」関連項目に振り向けられている。IT通信関連も前年度予算50%を超える伸び率となっている。インフラ投資やEV推進策に代表される国家発展の戦略が鮮明に打ち出されている。「ガティ・シャクティ(スピード・パワー)」国家マスタープランは、2021年8月15日の独立記念日にモディ首相が中期的インフラ投資計画として発表した。道路建設、鉄道、航空、港など物流インフラの7つの重点分野がある。物流コストがGDPの13%を占めるのに対して、アメリカ、ヨーロッパでは同8~10%、中国は9%程度でインドが運ぶ際にコストがかかる。一つのインドを作るには避けては通れない関門。

予算案では、富裕層が上場株式などに投資する際のキャピタルゲイン課税を軽減する税制変更が盛り込まれた。IT企業やスタートアップ企業への投資を促進する。アメリカ、中国に次いで世界で3番にユニコーン企業を多く抱えるインドが重点的に取り組む分野だ。。

https://www.daiwa-am.co.jp/specialreport/market_letter/20220207_01.pdf

DXを国家主導で実施する血の流れのよい経済を作る予算には明確なビジョンが感じられる。GSTと同じことをしている。ということはショック療法が近々あるということなのか準備は必要だ。