労働法を停止する12時間労働に与党の州、日本はロックダウンを再延長したインドと同じ道を歩むのか

2020年5月17日インド政府は新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むため、外出制限の期間を5月末まで、さらに2週間延長することを決めた。インドの新型コロナ感染者は2020年5月17日の時点で9万1300人余り、死者2897人。内務省は17日夜の声明で、スポーツ施設やスタジアムは無観客での運営が可能になり、州をまたがる旅行は許可証があれば可能になると発表。公共交通機関、モール、映画館、学校、体育館、観光地は引き続き閉鎖が続く。3月25日からロックダウンが続くインドは、4月20日に一部規制を緩和し地方や感染者がいない地域で工場などの操業再開を容認していた。5月17日にロックダウンが解除される予定だった。

 12時間労働、週72時間労働。労働者は、労働保護法を廃止する右派政府の動きに抗議している。 労働条件を改悪する口実としてコロナウイルスを使用していると訴える。労働時間を12時間に増やしているのに問題とされない。グジャラート州、ウッタルプラデシュ州、マディヤプラデシュ州、ヒマーチャルプラデシュ州政府は、労働時間を12時間に、標準労働時間を72時間に増やした。2020年5月6日の閣議で、ウッタルプラデシュ州政府は、労働組合、労働争議、契約労働者を管理する38の労働法のうち35を一時停止した。州内のすべての企業および事業所は、3年間、すべての労働法を免除される。
 これらの州の共通点はインド人民党政権の州であること。労働法の変更は、議会の審議を経ずに行政命令により行われた。数十年に及ぶ労働組合の闘争の成果がなくなる。
 グジャラート州政府は、1,200日間、新しい産業単位を労働法と規範から免除した。最低賃金法、労働安全規則、従業員補償法の3つの法律のみが適用される。マディヤプラデシュ州は、工場法、労使関係法、労働争議法、契約労働法などに基づく法的義務を免除。繊維、皮革、セメント、鉄鋼、電気製品、電気、公共自動車輸送、エンジニアリング、自動車セクターなど、11のカテゴリーの産業は、マディヤプラデシュ州労使関係法から無期限に免除される。 50人未満の従業員を雇用している企業では検査は行われず、抜き打ちの検査もない。
 2020年5月1日の労働大臣との会談で中央労働組合代表は政府に、労働時間を増やさないこと、労働法の厳格な維持、失業者への財政支援、移民労働者へのサポートを要求した。 労働法の範疇に入らない人も多い。インドでは労働者の90%以上が不安定労働に従事している。労働者は仕事、食糧、避難所を失っている。大都市から内陸部の家への移住労働者の大量流出は危険を伴うもので経済封鎖で労働者は自給自足ができなくなっている。労働法を緩和するための措置を発表している州もある。インドのいくつかの州はコロナウイルス危機の中で労働法を放棄している。

 日本では、ことし1月から3月までのGDPの実質の伸び率が前の3か月と比べてマイナス0.9%、年率に換算してマイナス3.4%となった。個人消費や輸出が大きく落ち込んだ。GDPマイナスは消費税率引き上げに続いて2期連続。2020年5月18日発表。

 危機のしわ寄せは常に弱い立場の労働者に来る。

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