北朝鮮とインド映画
トランプ大統領との二回目のハノイでの会談が大きく報じられているところが。。。北朝鮮でインド映画の「バーフバリ」が大ヒットを続けている。平壌市民がマサラ・ムービーの虜になっているのだ。そのヒットぶりは相当のものらしい。「バーフバリ」は、古代インドの叙事詩「マハーバーラタ」を題材にした歴史スペクタクルで、王位を巡って兄弟が闘いを繰り広げるという物語。どこかキム・ジョンウン委員長と、暗殺された兄のキム・ジョンナム氏と重なるところがないでもない。いずれにしてもCGをふんだんに取り込んだ迫力ある画面は、閉鎖された社会に暮らす人々にとっては相当見ごたえのある作品になっているらしい。このあたり韓国の東亜日報記者で脱北者のチュ・ソンハ氏のブログ「ソウルで書く平壌の話」が詳しい。
非社会主義現象に対する取り締まりを強化している北朝鮮では、賭博、売春、違法薬物の密売や乱用、ヤミ金融、宗教などを厳しく規制している。韓国のドラマや映画も規制の対象だ。「バーフバリ」は健全な市民の娯楽として当局により、規制の対象から外された。平壌市民としては、安心して楽しめる作品だというわけだ。
「バーフバリ」のDVDは、1万5000北朝鮮ウォン(約200円)で今年初めから販売が始まったという。日本でも話題になった「バーフバリ」だが、奇想天外な話の展開と歌や踊りの華麗な画面は相当刺激になったらしく、北朝鮮ではインド風の振り付けを覚えて踊っているという。
北朝鮮では、山田洋二監督のフーテンの寅さんが広く見られたことが知られている。外国の文化を、体制維持に支障のない範囲で徐々に広げるということなのかもしれない。国民の不満が爆発しないような配慮が感じられる。北朝鮮では、テレビ放映する前にDVD化され、民衆の反応を見る。バーフバリのヒットの背景にはそんな北朝鮮の事情がある。###