新規感染が増え続ける中での都市封鎖の段階的解除、インドの農業は強い

インド政府は2020年5月30日、3月から実施してきた全土封鎖を6月1日から段階的に解除すると発表した。経済の打撃を抑えるため規制を大幅に緩和していく。新規感染者は増え続けている。感染状況が深刻な地区では6月30日まで封鎖が続く。8日から飲食店やショッピングモール、宗教施設などの再開が認められる。国際線、地下鉄は個別の判断。大学も再開する。
 症例数の急増の中でなぜインドが再開するのか。ジョンズ・ホプキンズ大によると、31日時点の感染者数は約18万死者も約5200人。ロックダウンを維持することは経済的、社会的、心理的に期間に限界がある。食品サプライチェーンが危険にさらされている。自動車メーカーから高級ファッションブランド、タバコの売店、あらゆる種類のビジネスが影響を受け経済が急落、失業率が上昇、インドの成長予測は30年ぶりの低水準に落ち込んだ。何百万人ものインフォーマルな労働者、その大部分は移民。住む場所を失い家に帰ろうとした。何百キロも歩き、自転車に乗り、ヒッチハイクをしたり。インドの未検出の感染症が入院を必要とするほど深刻ではないとされている。ムンバイ市を除いて病院のベッドの不足はないという。それでも死者は多い。死者の数は比較ではなく絶対数で見るべきだろう。
 インドは11年ぶりの低成長となった。2019年度は4・2%。リーマン・ショックの影響を受けた2008年度以来の低さ。2018年度の成長率は減速したとはいっても6・1%だった。2020年20年1~3月期の成長率は前年同期比3・1%。製造業や建設業が失速。個人消費も伸びず。コロナの影響が本格的に出るのは次の四半期。
 4月開始の2020年度の実質成長率はマイナスの見込みだとインド準備銀行のダス総裁が明らかにしている。自動車や家電など耐久消費財が売れず貿易も不振で4月は前年同月比で輸出と輸入がともに6割減った。鉄鋼需要は9割も減少した。
 国民の半数以上が従事する農業生産は上昇。農業部門は5.9%増と前四半期の3.6%増から伸びている。インド経済の巨体のクッションとなっている。政治が安定すれば構造転換を加速する。(画像)

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