妊娠中の15歳のインド象の爆竹での衰弱死についてもう少し調べてみました

ビハール州のアーティストがケララの象の衰弱死に抗議してサンドアートを作成した。砂の芸術を通して言葉で訴えられない動物の気持ちを代弁した。妊娠している横たわる象を描写。「ヴィシュワシュガート」(裏切り)と書き「正義は勝つ」と訴える。パイナップルも描かれている。知らずに食べたとしても可哀そう。

 インド警察は爆発物入りの果物置いた男を逮捕した。インド南部ケララ州で、妊娠中のゾウが爆発物の詰まった果物を食べて死んだ。2020年6月5日農園労働者の男を逮捕し、別の関係者を捜している。15歳のゾウは口に重傷を負っていた。その口と胴体を水に漬け川の中に数時間立ち尽くし徐々に衰弱して死んだ。
 ゴム園で働くP・ウィルソン(P. Wilson)容疑者は野生の爆発物を詰めた果物を置いた容疑で逮捕された。男は野生動物を狙って爆発物を詰めたココナツを使用したことを認めているとのこと。パイナップルではなかった模様。ココナツ爆弾はプランテーションの入り口に置かれた。象が負傷した状態で発見されたのは2020年5月25日でその2日後に死亡した。爆発で口に重傷を負い摂食ができなくなったものとみられている。有罪となれば最高7年の刑期も。

 爆弾のトラップは逮捕に相当するが、問題は人間と自然の接触。都市化で森林が失われプランテーションに入ってくる象を取材したことがある。象は電気ショックの罠も柵を破壊して「侵入」してくる。日本なら里山のクマとかイノシシ。インドでは作物や家を脅かす野生動物を狙った圧力式で起爆する爆発物を使用する。それを果物につける。
 象の死因は肺に水が入ったことによる窒息死。象は痛みを抱えながら静かに息を引き取った。象は妊娠しており胎児とともに絶命した。妊娠中で栄養を蓄えるため農村部まで食料を求めてやって来た。
 象の牙を狙う密猟者も罠を使う。森林局「インド憲法の第51条A(g)は生き物への思いやりを持つことはインドの全ての市民の義務である」。

 ケララ州パラッカド地区のベリヤー川で亡くなった野生の象。サイレントバレー国立公園の事件についてインド全土で国民の怒りが広まっている。宗教間の憎悪キャンペーンにも利用されている。ケララ州のピナライ・ビジャヤン首相、犯人逮捕について「正義が勝つ」。世界中で200万人以上が彼女の死に対する正義を要求する請願書に署名。ボリウッドのスターや、政治家や有力なビジネスマンも積極的に発言した。ボリウッドの俳優アクシャイ・クマール「悲痛で非人道的で容認できない」。
 右翼のヒンドゥー民族主義者が意図的に殺害を実行したとしてイスラム教徒のコミュニティを非難。厄介な話になった。与党のインド人民党のヒンドゥー民族主義者でマネカ・ガンディー。夫の母がインディラ。象はイスラム教徒の人口が70%いるマラプラム地区で殺されたと主張。動物の保護活動として知られるマネカ・ガンディーは「殺人だ」と非難。「マラププラムはインドで最も暴力的な地区だ。道路に毒を投げて300から400羽の鳥と犬が一度に死ぬ」。
 イスラム教徒への迫害が問題とされる。ケララは野党のインド共産党(マルクス主義)が統治。ガンディー氏のコメントについてビジャヤン首相「悲劇を利用して憎悪キャンペーンを展開した人々を非難する。嘘は不正確な説明と半分の真実に基づいて構築される。真実が抹消し偏見を物語に取り入れようとする者もいる」。マネカ・ガンディーが象は600頭も死んでいるという発言についても多すぎるとのファクトチェックが入っている。

 CBIまたは特別調査チーム(SIT)による調査を求める嘆願が最高裁判所に提出された嘆願書は「計算されて組織化された」企てを当局がなぜ防止できなかったと主張している。将来、同様の事件を避け犯人を罰するための適切なメカニズムを提案するべきだ。「問題が政治的および金銭的権力を含む限り、地方の州警察の手による公正で公平で影響のない調査および起訴は不可能。調査は公正で独立した中央機関から公正かつ独立して行われる必要がある」。
 インド政府は、動物や生息地を保護する州を支援するため1992年にプロジェクトエレファントを立ち上げた。
 ベンガル地方では人間と象の衝突を減らすためのアプリが開発されている。ラジブ・バンディオパディ森林森林相は、世界環境デーに西ベンガル州政府が州内でのアプリ利用とモバイル医療を含む基本計画を策定したと語った。
 インド北部マトゥラーでは50年間も鎖につながれ虐待を受けてきた象が話題になったことがある。野生動物の救助活動に取り組むワイルドライフSOS。ウッタルプラデシュ州アラハバードで象を解放した。「ラジュ」。両方のほおを涙が流れ落ちたという。各地で起きていることでもユーチューブに掲載されると反響が大きい。太いとげのついた足かせをはめられ栄養失調に陥っていた。生まれた直後に捕らえられ人から人へ30回近く売り飛ばされたとのこと。物乞いに利用され結婚式などの祝い事に貸し出された。平均5トンの体重はその半分。
 群衆に火をつけられ逃げる象もいた。タールを使用した火の球を投げつけられた。西ベンガル州で逃げまどう象の写真が野生動物の写真コンテストで賞を受賞した。アジアゾウは、国際自然保護連合(IUCN)によって「絶滅危惧種」に指定されている。インドの野生動物保護団体「Wildlife Trust of India」によると、象の移動回廊のうち人間の居住地を通らないものは5分の1。3分の2は州道もしくは国道を通る。森林内だけの移動ですむ道は13%。
 観光地では人を乗せて坂を上る。西部ラジャスタン州の観光地アンベール城。象は失明かあざだらけだと動物愛護団体が訴えている。
 政府機関の動物福祉委員会(Animal Welfare Board of India)が発表した報告書によれば、ほぼ全頭が何らかの心理的苦痛を受けているか、足の裏があざだらけになっていることが判明。19頭が失明しているか視覚障害。47頭は牙を失っている。

 2018年11月16日、インドで初のゾウ専門病院がウッタルプラデシュ州にオープンした。虐待されたゾウを治療する。野生動物の保護に関心を持つ学生の学習の場にする。インドには野生のゾウが約2万5000頭。ゾウは文化的・宗教的な象徴として崇敬されている。病院はレントゲンなど医療器具も備わっている。
 インドでは象は神様。感染症の元がどこにあったのかを考えると、古くからの象のニュースも違って感じる。
(画像)

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