神の化身マンゴーは世界一生産量で葉の老化防止作用も注目だが新型コロナで品薄か

 インドが世界一の生産量を誇るマンゴー。日本では沖縄県や宮崎県などで生産されている。収穫が最盛期だがコロナ営業自粛の影響を受けている。宮崎マンゴーは山吹色の果肉にさわやかな甘さ。糖度15度以上と甘い。「太陽のタマゴ」としてブランド化されている。

 新型コロナの影響でマンゴーなど海外産フルーツに品薄感が広がっている。産地が封鎖され収穫停滞した上に航空機減便も影響した。価格は上がったとも下がったとも報じられている。
 マンゴーは、ウルシ科の果樹。檬果、芒果、菴羅ともいう。栽培は紀元前のインドで始まった。仏教では、聖なる樹。ヒンドゥー教では万物を支配する神「プラジャーパティ」の化身とされる。仏典の菴羅は、サンスクリットの音写。原産地はインドからインドシナ半島周辺と推定されている。マンゴーはウルシオールに似たマンゴールというかぶれの原因となる物質が含まれている。
 生のほかジュース、缶詰、ドライフルーツなど多彩。マンゴープリン、マンゴーラッシーなどなど。未熟果は漬けものやチャツネにする。ビタミンAやβ-カロテンが多い。マンゴーの未熟果実を乾燥させ粉末にしたアムチュールは酸味付けのスパイス。ガラムマサラにアムチュールを加えた複合スパイスはチャットマサラ。インドは年間収穫量約160万トンの世界一のマンゴー生産国。500以上の品種が栽培されているがマンゴーの王と呼ばれるのはアルフォンソ。デカン高原で4月中旬から5月初旬に降るマンゴー・レインが旨さをつくる。デーヴガル産が最高級で実が大きく味が濃い。2006年日本への輸入が解禁。ベンガル地方ではマンゴー葉を食べさせた牛の尿から黄色顔料インディアンイエローを製造していた。動物虐待で1908年に禁止。
 アルフォンソマンゴーの中でもラトナギリ地方のアラビア海沿いの丘陵地帯で潮風と太陽を浴びて育ったものが最高といわれる。

 インドではアルフォンソの価格が新記録を達成したとのこと。果物の価格は高騰し加工業者が買えない価格に。

 収穫量は30%を下回ったとの報告もある。輸送力と労働力がない。アルフォンソ₹40 / kg。北インドの市場に荷を運ぶトラックの州間移動が農家からの調達を縮小することを余儀なくさせた。

 マンゴーが世界に広まったのは大航海時代。インド航路を発見したポルトガルの探検家バスコ・ダ・ガマ。陸路でしか行けなかったインド南部にアフリカの喜望峰を回るルートができた。
 マンゴーの葉には皮膚の老化防止作用が見つかり注目されている。終末糖化産物(AGEs)産生抑制作用があるとのこと。多量に廃棄される農産資源のマンゴーの葉を有効活用できる。マンゴーの葉は飾り模様にも使う。
 マンゴーの木は食べ終わった果実の種を植えると栽培できる。マンゴーは寒さに弱いため、温室での栽培が一般的。日光を好む。冬場は最低温度が7度か8度になるように室内で管理。乾燥しきっている時だけに水やり。実をつけるまでには6、7年ほどかかる。挿し木でも増やすことができる。自家結実性があり1本でも実をつけるが人工授粉で着果する。花は赤とピンクの混ざった小さな花が房のように集まる。家の南側に植えれば金運と財運が上がるとも言われる。
 マンゴーの種を埋めて呪文を唱えるとその場で「マンゴーの木」が出現するという幻の古代魔術を求め続けた本がある。山田真美さんの体験物語。
 不思議な果物。庭に実がなっていた。夏はラッシーとともに最高の飲み物。ファッションブランドもある。早食い大会も開かれる。

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