なぜインド人は英語が流暢に話せるのか?【インド英語の7つの特徴を知ると聞こえない音が聞こえてくる】

なぜインド人は英語が流暢に話せるのか?2000年時点での各国の英語の話者人口を話者の多い順に並べてみると面白いことがわかる。英語を母国語として話す人と第二言語として話す人の両方を含む。イギリスが98パーセント、英連邦のオーストラリアが97パーセント、スペイン語だけの人もいるアメリカが95パーセント、フランス語だけの地域があるカナダが85パーセント、アジアではフィリピンが78パーセント。インドは12パーセントということだが、人口を掛け合わせると、一億二千万。アメリカに次いで英語が話されている国ということになる。英語で発行される新聞で最も発行部数が多いのはザ・タイムズ・オブ・インディアはの発行部数は324万部。何をもって英語を話すというのも基準が難しい。 

 2019年の「EF EPI(世界100カ国を対象にした国別英語運用能力ランキング)」では、アジア地域でインドは、シンガポール、フィリピン、マレーシア、香港に次ぐ第5位。世界1位はオランダ、日本は53位。

 インド英語には独特のヒングリッシュ・フレーズがある。インド訛りのマイナスイメージもあるが、インド英語のくせや、英米の英語にはない表現を知ると楽しい。インドでは英語は第二の公用語だ。2005年に実施されたインド人間開発調査(IHDS-2005)によると、インド人の人口のうち、「英語が流ちょうに話せる」または「少し話せる」と回答したのは、全体の20%。豊かな家庭に育った富裕層・上位中間層のインド人は英語を話せることが多い。観光地で働くインド人も必要な英語を器用に覚えている。よほどの田舎でない限り、英語がわかればさほど困ることはない。市場や飲食店でも英語が通じ、メニューも英語表記されている。

 インドの記者会見では独特の英語になれていないと流れを見失ってしまう。インド英語の発音はヒンディー語の母語の発音のくせが残っている。①「A」の発音。「エイ」ではなく「エー」。Monday「マンデー」、say「セー」、game「ゲーム」。これもアルファベットをローマ字読みするジャパニーズ・イングリッシュに似ている。インド英語はなれると日本人にはわかりやすいはず。②英語ではRと表記されているものは「ル」と発音する。parkは「パルク」。「ル」も巻き舌を震わせるように聞こえる。better「ベタル」、rain「ルェイン」。③英語でTHと表記されているものは「タ行」で発音。Thank you「タンキュウ」、think「ティンク」、thereが「デール」。細かくは長くなるのだが、インドの「タ」は実に8つもある。舌を反り上げるかどうか、濁音にするか、息をまぜるか、の三つで2の三乗通りになる。そのうち日本語では「タ行」に聞こえるものを外来語の英語にあてている。舌を上前歯と下前歯の間に挟み隙間から空気を漏らして発音。語尾のtも無声化させずに律儀に発音する。hot「ホット」。日本人英語に近い。
 インドでは綴り通りの発音をすることも多い。④Wednesdayは「ウェドネスデイ」。この綴りをなぜウェンズデイと読むことになったのか。あるいはWednesdayと綴ることになったのか、歴史の部分はインドは共有していないから当然といえば当然。むしろ合理的。ヒンディー語は日本語と同じで抑揚が少ない。日本人からすると少しドラマチックに感じる英語に比べると単調に聞こえる。⑤現在進行形を多用するのも特徴。I’m liking it.He is having two books「彼は本を二冊持っている。」、He was knowing it.日本語の思考回路と似ている気がする。
 インドで話される⑥お決まりのフレーズ。What is your good name? この表現を初めて聞いたのがインドだった私などはこれが普通(欧米)の英語だと思っていた。ヒンディー語で名前を尋ねるときに使われる単語Shubhにgoodの意味が含まれている。要注意はno problem(問題ないよ)。これは私にとっては問題ないよの意味。他の人にとっては支障があることもある。主語があいまいな受け答えの軽いやりとり。欺くつもりなどいっさいない。Do one thing(聞いて聞いて)。注意を喚起する表現。前置詞も少ない。at、withを多用。意味的にはこの二つで足りる。外来英語の特徴。間違っているとはいえない。

 ⑦基本単語の使い方が異なるものも注意。hotel 宿泊施設のほかにレストランや食堂の意味で使われることがある。古い英語は新聞によく残っている。お店のshoppe、眼鏡のspecs(spectacles)、ピーマンのcapsicum。19世紀後半のイギリスによるインドを植民地としたイギリスはインド帝国で英語を普及した。他民族国家のインドは細かく分類すると3000近い異なる言語が存在すると言われる。ヒンディー語も共通語の役割があるが、英語が公平に学べる准公用語となった。IT人材、私立大学など英語が普及した。

 インド英語の特徴には英語と違う数字の単位を使うことも忘れてはいけない。thousand(1000)、million(100万)ではなく、「Lakh ラク=10万」、「Crore クロール=1,000万」。10 millionは1 Crore。

 フランス左翼戦線のジャンリュック・メランション「英語は欧州議会の第3公用語にもなれない」。大英帝国の最大の資産と言われる英語。ネイティブスピーカーの数では、1位の中国語が 9億人。2位はヒンディー語で4億8600万人。3位にスペイン語の4億7000万人。英語は4位で4億人。5位のアラビア語の2億9500万人と続く。第二言語を含むと英語は断トツの20億人で2位中国湖の10億9000万人の倍。3位のヒンディー語の6億5100万人の3倍。公用語として採用している国は50カ国以上。英語は学問でも世界の共通言語で論文の多くは英語で書かれる。それ以外の言語で書くと引用の数が極端に減る。

 プレイン・イングリッシュでは、対象読者を想定し、重要な情報を文頭に置く。文は短く、能動態で主語・動詞・目的語を近づける。

 NYで英語を学ぶインド人主婦を描いた映画”English Vinglish”。日本では「マダム・イン・ニューヨーク」の邦題でヒットした。2012年に公開。英語コンプレックスがインド人なので程よい距離感。インド人専業主婦のシャシは料理が上手。得意はお菓子(ladoo)作りの伝統的インド人女性。英語ができず引け目を感じていたが姪の結婚式の準備の手伝いで1人でニューヨークに旅立つ。コーヒーも注文できず店員に怒られ涙を流す。外国人向けの英語教室で懸命に学ぶ。英語で苦労した人は、多くが涙する。結婚式のスピーチ。”Nobody can help you better than you. “
 
 いまやインドビジネスに必須の聞き取り法は、プレイン・イングリッシュでもあり、日本人には実はなじみやすい。

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