なぜスリランカでは感染者数が少ないのか?【外出禁止の歴史が長い国で低い感染率】

スリランカの観光業はGDPの4パーセント。大型のテロのあと新型コロナウイルスで落ち込んでいたが、南アジアの中では感染者の数は少ない。7月1日の段階で感染者数は2500人。市中感染は少なく、多いのは海軍関係者。出稼ぎ労働者の隔離施設での対応の中で感染している。それを除くと非常に感染率は低いことになる。ラジャパクサ大統領の厳しい外出禁止令。外出禁止令の歴史は長い。戒厳令、非常事態令ともいう。日本の非常事態とは意味が違う。マスクの着用も強制力が強い。自主隔離を義務付けられる。警察が玄関にシールを貼り近所の監視の目が向けられる。PCRの検査は私立病院も行う。検査結果は政府に報告することが義務付けられている。JETRO事務所からの報告によると政府の財政支援も厚かった。6月28日には外出禁止令が解除された。細かい生活指導ガイダンスが出されている。エレベーターのボタンは肘で押す。SAARCの新型コロナ緊急ファンドには資金を拠出する側に回っている。
 1月下旬に湖北省からスリランカを訪れた女性が1月末に帰国する際に国際空港でのスクリーニングで感染が判明。その後退院し、中国へ既に帰国した。1月28日、中国からのアライバルビザの発給を停止。武漢市に滞在していたスリランカ人32人を政府特別機で国内に呼び戻し軍キャンプ敷地内に収容。全員が感染者でないことを確認した。
 2019年の中国からの観光客は16万7,000人。2019年のテロ後に観光支援で始まった観光ビザ無償化措置は4月までの延長が国会で承認されている。オンライン授業を高等教育に導入しようとしている。中国の防護服支援などの寄付外交も活発になっている。
 他国の事情は死者の数だけでなく、抑えている理由も知る必要があるのだろう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください