なぜGoogleがインドに1兆円投資するのか?トップはモディ首相と会談、この規模の話には中長期的な米中関係がある。

グーグルのスンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は2020年7月13日、モディ首相とオンラインで会談し、今後5~7年で同国に約100億ドル(約1兆円)を投資すると表明。ピチャイ氏は「インドのデジタル化を実現する」グーグルが得意とするAIを医療や教育、農業などに活用していく。検索サービスもヒンディー語などインドの多言語に対応させる。新設するファンドを通じて現地企業への投資やインフラ整備に充てる。
 都市封鎖で経済が打撃を受け外国からの投資がますますほしいインド。13億人超のインド市場にアマゾンやフェイスブックが攻勢をかける中、実弾を投げ込むグーグル。中国からの撤退と印中関係の悪化の中でハイテク投資をインドで加速させる。インド政府は4月、「国境を接する国」からの投資は政府による認可が必要とし、従来の「自動認可」から規制を強化。6月末には動画投稿アプリ「TikTok」など中国系企業の59アプリを禁止した。

新設するファンド「Google for India Digitization Fund」は株式投資、提携、運用、インフラとエコシステムへの投資などの組み合わせで投資する。投資は4つのエリア。①全インド国民がヒンディー語やタミル語、パンジャーブ語、その他の言語など自分の言語でアクセスし、情報を得られるようにする
②インド特有のニーズに応える新たなプロダクトやサービスを構築する③デジタルトランスフォーメーションに取り組む企業のサポート④医療や教育、農業など公益性のある分野へのテクノロジーとAIの活用。音声入力の改善、新世代の起業家の育成などインド生まれのピチャイ氏はならではのビジョンがある。
 すでに記事にしたがFacebookは2020年4月に、インドの6000万の零細ストアをデジタル化するために、インド最大の通信会社Reliance Jio Platformsに57億ドル(約6100億円)を投資した。リライアンス・インダストリーズの子会社で創業4年のReliance Jio Platformsは4月以降、著名な12名もの投資家から157億ドル(約1兆7000億円)超を調達している。
 アマゾンのCEOであるジェフ・ベゾスは2020年初めにインドを訪問し追加で10億ドル(約1100億円)を投資すると述べインドでの累計投資額は65億ドル(約7000億円)となった。グーグルはそれを上回るのと、モディ首相との会談で差をつけた。
 インドが中国企業を締め出す動きを見せ禁止されたものにはByteDance(バイトダンス)のTikTok、Alibaba Group(アリババグループ)のUC Browser、Tencent(テンセント)のWeChatなどが含まれる。中国の投資家が最大の株主となっているZomato(ゾマト)、Swiggy(スウィギー)、Paytm(ペイティーエム)のようなインドのユニコーン企業数十社にとって、インド政府の対応は資金調達上きびしいものとなっている。
 電子情報技術相Ravi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサッド)は、グーグルが「インドのデジタルトランスフォーメーションに相当な額を投資をしようと臨機応変に対応している」と歓迎。グーグルはこれまでベンガルールローカル配達サービスのDunzo(ドゥンゾー)のスタートアップを支援してきたが関与は小さい。インドグーグルのトップSanjay Gupta(サンジャイ・グプタ)。

2004年からインドで事業を開始したグーグルは地元のスマホベンダーとの提携を通じての低価格スマホの生産・販売行ってきた。より多くの人が学習し、成長・成功することができる高クオリティ・低コストのスマホが拡大する可能性もある。

https://www.youtube.com/watch?v=2q1FosErGG4

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