「若者よ呟け」しかし不平不満ではない、コロナ禍の危機の中でモディ首相がツイートを勧める先人の箴言集とは何か

GOTOキャンペーンやマスクなど、つまらない議論や揚げ足とりを続けるより、本気で考えることが必要。名言集を国のリーダーが勧めて違和感がない。伝統こそ危機への対応の処方箋。
 ティルックラルは、古代インドの詩集。作者はティルヴァッルヴァルで、5世紀から6世紀にかけて書かれた。タミル文学の中でも、最も有名な作品のひとつとされ、インド国内をはじめとして30以上の言語に翻訳されている。書名は『聖なる(tiru)』+小さなもの(kural)』。『クラル』とも呼ばれる。

 モディ首相は2020年7月16日、若者にティルックラルを読むように促した。過去にもモディ首相がテキストに言及したことがある。タミル語と英語の両方でツイートし全国の若者に読んでほしいと訴えた。「ティルックラルは非常に刺激的です。それは豊かな思考、高貴な理想、そして大きな動機の宝です。尊敬されるティルヴァルヴァルの言葉には、希望と輝きを広める力があります。インド中のもっと多くの若者が読んでくれることを願っています!」。著者のティルヴァッルヴァルは著者であると推測されている。
モディはラダックを電撃訪問した際にも兵士に向けた演説で引用した。日々、勉学を続けているのだろう。

ティルックラルは5世紀から6世紀にかけて書かれた。タミル文学の中でも、最も有名な作品のひとつとされ、インド国内をはじめとして30以上の言語に翻訳されている。全体は1330行の二行詩からなり、3篇133章の構成になっている。2行詩が133章、各10、全体で1,330。3篇の「法(アラム)」、「財(ポルル)」、「愛(カーマム)」は、サンスクリット語のダルマ、アルタ、カーマに相当する。インドにおける人生の三大目標。特に第3篇の「愛」は、古典期末から中世にかけて用いられた韻律で作られており暗唱に適している。箴言、金言が覚えやすい詩句になっている。タゴールソングスを思い出す。タミル地方の人々に愛好された。タミル文化の誇りで今でも多くの人々によって愛唱され書店にも並ぶ。

 作者のティルヴァッルヴァルの生涯については不明な点が多い。『ティルックラル』の内容から、古代のマドゥライを中心としたサンガム文学や、『マヌ法典』や『実利論』などサンスクリット語の文献に通じているとされる。

マハトマ・ガンディー
「タミル語を学びたかったのは、ティルックラルを母語で学べるようにしたかったのです。彼のような知恵の宝物を与えた人はいません。」

Mahatma Gandhi
“I wanted to learn Tamil, only to enable me to study Valluvar’s Thirukkural through his mother tongue itself…. There is no one who has given such treasure of wisdom like him.”

ノーベル賞受賞者のアルバートシュバイツァー博士
「世界の文学には、ティルックラルのほどの高尚な知恵を見つける格言のコレクションはほとんどありません。」
Dr. Albert Schweitzer, Nobel Laureate
“There hardly exists in the literature of the world a collection of maxims in which we find such lofty wisdom as in Thirukkural.”
 ロシアの文豪トルストイ
「この書物だけは、きっと人びとの記憶に残るに違いない」
https://hahanokaigo.hatenablog.com/entry/20160131/1454228438

〈われらが得ることのできるもののうち、学ぶべきことを知る子を得ることほど優れたものはない〉(法)
〈言葉に力あり、口を滑らすことなく、[信条を語ることを]恐れない、そんな人を打ち負かすのは誰にとっても難しい〉(財)
〈思うだけで喜ぶことも見るだけで満足することも、酒にはない。それらは愛だけのものである〉(愛)
〈「誰よりも君を愛してる」と私が言うと、彼女は怒った。「誰よりもって、誰なの」と言って〉(愛)
〈些細ないさかいは愛の喜びを増す。情を交わせばその喜びは一層増す〉(愛)

 つまらない議論や揚げ足とりが続けるより、本気で考えることが必要。それを国のリーダーが勧めて違和感がない。伝統こそ危機への対応の処方箋。

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