中国のステルス戦闘機J-20の配備はインドにとって何を意味するのか?【メンツの国ならではの動きから目が離せない】

中国がフランスの戦闘機を導入したインドに対抗する形で新疆ウイグル自治区にステルス戦闘機J-20を配備し南シナ海には爆撃機を配備したと伝えられている。ラダック地方などでの国境紛争が緊張を続けるインドをけん制する動きといえる。中国は南シナ海に爆撃機「H-6J」を配備しアメリカの海軍をけん制している。報道によるとJ-20は中印国境から約320キロ離れたホータン空軍基地に配備された。2020年8月18日にアメリカの経済誌「フォーブス」が衛星写真からJ-20戦闘機2機の配備を報じた。インドは側もアンバラ空軍基地に7月末、フランス製の戦闘機ラファール5機を配備している。

 国境地帯のガルワン渓谷で6月に発生した中印両軍の衝突は45年ぶりに死者を出すものとなった。インド側の説明では、インドの実効支配線の内側数百メートルの地点に中国軍がテントを設営した。両軍の協議で撤去が決まったが中国側が実行せず、2020年6月15日インド軍の兵士約35人がテントに向かい撤去を求めるうち口論となり中国側が攻撃してきた。武器の使用は禁じられていたため、約300人が投石や素手の乱闘の末、インド側は中国側のテントを燃やした。援軍に来たインド兵も加わって衝突は激化した。中国側はこん棒などの武器を用いドローンや無人航空機も使っていたとされる。
 中国国防省の呉謙報道局長の2020年6月24日の説明によると、4月以来、インド軍が衝突現場付近で一方的に施設の建設を始めたため繰り返し抗議したが、5月6日未明にインド軍が実効支配線を越えて侵入して障害物を設置。中国軍の正常な管理強化のため必要な措置を取った。事件は支配線より中国側で起きており、責任は完全にインド側にある。
 2020年7月5日、インドのドバル国家安全保障顧問と中国の王毅外相が電話会談し。インド外務省は「両国は両軍が早期に国境地帯から引きあげることで合意した」と説明したが緊張は続いている。2020年7月3日、モディ首相が衝突があった地域を訪れて兵士を激励し「拡張主義をとる時代はもう終わった」と語った。

 J-20は映画『スカイハンター 空天猟』では中国軍広報部が全面協力し中国空軍の秘密部隊に所属する主人公が搭乗するなど多くのシーンに実機が使われている。漫画の『空母いぶき』でも中国軍主力機として登場する。
 アメリカの主力であるステルス戦闘機F-22「ラプター」とF-35「ライトニングII」に対抗する形で独自に開発した戦闘機で、1990年代末に中国成都航空会社(CAC)航空設計研究所が開発に着手し、2011年に初飛行に成功した。中国人民解放軍空軍の双発ステルス制空戦闘機はアジアで最初に運用された第5世代ジェット戦闘機に分類される。中国語では殲-20。コードネームJ-XX。 2011年1月23日に1999年にコソボ紛争で撃墜されたF-117の残骸から得られたステルスの技術情報がJ-20などのステルス機などに使用されたともいわれるが中国側は否定している。2016年11月1日、広東省珠海で開催された中国国際航空宇宙博覧会で初公開。2機によるデモンストレーション飛行も公開された。中国中央電視台は2017年3月9日、空軍に実戦配備されたと伝え、9月28日には国防部も就役を発表した。
 機首の断面はF-22に似た菱形に近い形状。翼はカナードと後縁に緩い前進角を持つデルタ翼に近い主翼を組み合わせたクロースカップルドデルタ翼。ラファールと同じ形式。単垂直尾翼か。

 メンツの国ならではの動きから目が離せない。

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