【映画案内】『ルストムの裁判(2016)』をネットフリックスで見たらフィクションなのに現実を感じる

主演は、世界を代表する俳優となったアクシャイ・クマール。その妻をイリヤーナー・デクルーズが演じる。部隊は1959年のボンベイ。海軍司令官ルストムが殺人罪で逮捕された理由は妻と友人の不倫関係を知り激高の末殺したという話。リーガルハイのような感じの法廷ドラマで時間軸をずらしながら、なぜ殺した?に迫っていく「ルストムの裁判。。事件後すぐに自首をしたルストムだが一転して自分は無罪だと主張。事件を担当することになった刑事が、事件の背景を調べると1959年ではない、2010年以降の現代インド政治が見えてくるという仕掛け。

 海軍の制服のアクシャイ・クマールの語りが中心。言いたいことを我慢している感じが日本人の感性にも合うし、言うときには言う感じが堺雅人にも通じる。ルストムと同じゾロアスター教徒のタブロイド新聞社の編集者がルストムに好意的な記事を書く。殺された友人のヴィクラムはシンド系。

 『Rustom』は実際にあった事件をベースにしている。CdrKawas Manekshaw Nanavati(1925–2003)はインドの海軍将校でイギリス生まれのシルビアと結婚したパルシ。ナナバティは妻と知人の関係について知り海軍基地でピストルと弾丸を携えて知人のオフィス、家に行く。風呂からタオルだけで出てきた知人にナナバティはシルビアと結婚するつもりかどうか尋ね知人が拒否。ナナバティは知人の胸に3発の発砲。ナナバティは自首。NanavatiはRustom Pavri、SylviaはCynthia、知人のPrem AhujaはVikram Makhijaになる。
 映画がこの事件の現実と異なるのは、防衛の腐敗に関する架空の物語。空母の購入契約案件。ただし、空母の購入そのものや、汚職などへの一般的な政治不信は2010年代の映画公開時とマッチする。

 知人のヴィクラムという名前からは、インドの空母ヴィクラマーディティヤが想起される。ロシア海軍の重航空巡洋艦(TAvKR)「アドミラル・ゴルシコフ」を取得し、短距離離陸拘束着艦方式の航空母艦として改装した艦。艦名は、シヴァが降臨したとされる伝説上の皇子の名。グプタ朝を始めとするインドの諸王が号した尊称。インド海軍では、1961年に「ヴィクラント」(旧英海軍マジェスティック級「ハーキュリーズ」)を取得して、洋上航空運用能力を獲得した。「ヴィクラント」は1945年進水という老朽艦で空母2隻体制維持のため、ソビエト連邦海軍の重航空巡洋艦「バクー」のちに「アドミラル・フロタ・ソヴィエツコゴ・ソユーザ・ゴルシコフ」を購入。艦自体は無償譲渡する代わりに、修理・近代化改装費用はインド側負担とする内容でロシア首相プリマコフと政府間覚書に署名。その後、全通飛行甲板を備える航空母艦への改装が決定された。インドのカルワルに到着し最終的に2014年6月に就役した。価格、改修などをめぐってロシア側との交渉が続いた。2017年7月10~17日にかけて実施された日米印合同軍事演習「マラバール2017」に参加。海上自衛隊の護衛艦「いずも」「さざなみ」や、アメリカ海軍の原子力空母「ニミッツ」と各種訓練を実施。

 ネットフリックスで見たらフィクションなのに現実を感じる。

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