タタ、ビルラ、リライアンスだけではないインドの財閥【港湾と発電という急所で成長したゴータム・アダニ】

1988年に設立されたアダニ・グループはグジャラート州アーメダバードに本社を置く。創業当時の小さな貿易会社から発電、港湾運営、石炭やガスの採掘・販売を手掛ける巨大財閥へと成長した。農産物取引や海運業それに不動産など財閥だからすそ野は広い。
 成長の要因は創業者ゴータム・アダニ会長の手腕が際立つ。たたき上げの人物で大学に行かず父親の繊維製品貿易の事業から、グジャラートのダイヤモンド貿易に着手。カッチ地方のインド最大の塩田から塩を輸送するため港湾を建設した。

 Gautam Adani「成功の背景にはインドの中流層の成長がある」。モディ首相との関係も深いと言われる。「民間企業に貢献のチャンスが巡ってきた」。エネルギーやインフラ整備、石炭の採掘、貨物の取り扱いや発電事業に参入する。

 1962年6月24日生まれ(58歳)。アダニ財団の会長。Forbesによると純資産は2019年10月現在で約157億ドルと推定。ジャイナ教の家庭に生まれた。7人のきょうだいを持つ。父は織物商人。グジャラート大学を中退。1985年小規模産業向けの一次ポリマーの輸入を開始し1988年に、Adani Exports Limited(現Adani Enterprises Limited)を設立。Adaniグループの持ち株会社で農業と電力の商品を扱っていた。1991年の経済自由化政策で金属、繊維、および農産物の取引に事業を拡大したとされ、1995年にグジャラート州マンドラ港の管理契約を締結。港は、インドで最大の民間部門の港で年間2億1千万トン近くの貨物を処理する。
 1996年に電力事業部門であるAdani Power Limitedを設立。国内最大の民間火力発電会社4620 MWの火力発電所を保有。クイーンズランドのカーマイケルコールとオーストラリアのアボットポイントポートを買収。2020年5月、Adani はインドの太陽エネルギー公社(SECI)による60億ドル相当の世界最大のソーラー入札に勝つ。8000 MW太陽光発電所プロジェクトをAdani Greenが担当する。

 トニー・ロビンスの本を読むアダニ。グループは国内11カ所の港湾を傘下に収める。オーストラリア、インドネシアの炭鉱から石炭を輸入し発電する。

 大富豪が支配する中間層社会が次のインドの潮流となるのだろうか。

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