日豪印では何ができるのか?【サプライチェーン強靱化イニシアチブで連携を強化】
茂木敏充外相は2020年10月7日、オーストラリアのペイン外相とも会談した。日豪印を中心に進められるインド太平洋地域におけるサプライチェーンの再構築の背景には対中関係悪化に伴う将来的な生産への影響がある。日本、オーストラリア、インドの3カ国が9月1日に共同提案した「サプライチェーン強靱化イニシアチブ(RSCI)」。パンデミックに対応したインド太平洋地域のサプライチェーンの再構築を目指す。国境を越えた生産ネットワークを作れるのか。各国の都市封鎖と生産停止が原料と製品の流通を混乱させた。予期せぬ混乱への耐性を高めるためには経済効率性を優先させて自然に作られてきた域内のサプライチェーンを戦略的なものにする必要がある。貿易・経済面での中国離れ。半導体、自動車、医薬品、通信などの分野でサプライチェーンは安全保障上の問題でもある。日本は中国から生産拠点を移転する企業に補助金を出している。当初は国内回帰や東南アジアへの移転が対象だったが、インドとバングラデシュも対象に追加された。
投資での優遇措置、関税の取り決め、品質基準、原産地規則、データ移転のルール、紛争解決メカニズムなど課題は多い。地域ブロックというとマイナスのイメージもあるが自衛のためのけん制手段ともいえる。