食欲の秋に病気を吹き飛ばすナスのカレー【ナスの起源はインドで熱をとるといわれる】

高血圧や血栓症の予防と改善に効果があるといわれるナス。ナスをたくさん食べるためのナスのカレーはベイガンバルタ。焼きナスの実の部分だけを使ったカレー。ナスはがくを切り落とし先端から深めの穴をあけ表面に油を塗って焼く。網で表面が黒く焼け焦げるまで焼いてとろとろになったナスに香辛料トマト玉ねぎなど。
 ナスはインド原産で日本には奈良時代に伝播。江戸時代は、最もよく利用された野菜。「親の意見とナスビの花は、千に一つのムダもない」。ナスの栄養価は低い。中国では高血圧の薬と考えられているとも。皮に含まれる紫色の色素成分「ナスニン」はコレステロールを低下させ動脈硬化を防ぐ効果も。
 熱帯のインド原産で体を冷やす作用があるとされる。「秋ナスは嫁に食わすな」。「本草綱目」に「ナスは性が寒・冷で多食すれば、必ず腹痛や下痢を起こし、婦人は子宮を傷める」とある。妊娠していれば流産の危険があるともいわれる。冷やす効果は捻挫、火傷などに湿布薬にも用いられる。ヘタや茎の黒焼きの粉を歯磨きのナス黒として製品化したものもある。
 インドの原産で熱帯から温帯地方に広く栽培される。アラビア、北アフリカ地方には5世紀前後にペルシア人によって伝えられた。日本への渡来年代は不明だが、最古の記録として正倉院文書に〈天平勝宝2年(750)6月21日藍園茄子を進上したり〉とある。
 日本の地方品種は150以上ある。漬物,汁の実,煮物,揚物,あえ物,焼物と利用範囲の広い野菜。《医心方》の五菜部に茄子(なすび)が挙げられ,《崔禹錫(さいうせき)食経》からの抄録には〈小毒があるが,食べると皮膚に張りを与え,気力をつける。脚の病気の人は苗や葉の煎汁に脚をひたすと毒気が除かれ,たいそう効きめがある〉と記されている。
 美しい花をもち,観賞用に栽培されるものにペチュニアがある。フユサンゴ,ルリヤナギ,ホオズキなどは果実を観賞するために栽培される。ナス科の果実にはトマト,トウガラシ,ピーマンなど。ジャガイモはナス,トマトと同じナス属。トマトとジャガイモの体細胞雑種(ポマトまたはトテト)もある。ナス科にはアルカロイド含有植物が多く薬用植物としても利用される。
 ナスにはとげもある。

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