【読書案内】『黒魔術がひそむ国 ミャンマー政治の舞台裏』春日孝之(著)ー中世的なファンタジー世界の現場感にあふれている。
面白くてワクワクしながら読んだ。ミャンマーといえばいつも民主化と判で押したように同じ切り口で報じられてきた。欧米の価値観でアジアの国を報じると単純でわかりやすいが現場感がない。「黒魔術」に焦点を当てたこの本は、中世的なファンタジー世界の現場感にあふれている。ネウィン、タンシュエ、テインセインといったキーパーソンや、突然のネピドー遷都、ロヒンギャ問題をミャンマーの内側から見ることができる。アウンサンスーチーにノーベル賞を与えたり返せと言ってみたりするのが外からの傍観者の視線だということを改めて実感する。