春の祭りホーリー

ホーリーといえば、日本ではファイナル・ファンタジーの白魔法の一つ。『FFVII』の究極の白魔法「ホーリー」は、星を救ったり破壊したりする力を持つ。インドでは春の訪れを告げる毎年恒例の祭り。3月20日21日の両日、祈りや歌を捧げながら、顔に緑、黄、赤の粉を塗りつけ、寺院では、聖歌を歌いながら腕を伸ばす信者に導師らがピンク色や金色の粉をまいた。

(ホーリー)
ホーリー祭(Holi)は、ヒンドゥー教の春祭り。誰彼無く色粉を塗りあったり色水を掛け合ったりして祝う。もともと豊作祈願の祭りだった。色粉や色水を掛け合うのは、悪鬼ビシャーチャを追い払うため泥や汚物を投げつけたのカシミール地方の伝承を取り込んで今の形になった。黄色は尿、赤は血、緑は田畑を象徴する。太陽暦では3月に当たるインド暦第11月の満月の日をホーリー、翌日もドゥルヘンディの名で祭りが行われるが、前の週あたりから繁華街には色粉や水鉄砲の露店が出る。他のヒンドゥー教の祭りと異なり特定の神に対する、形式ばった祭礼は無い。祭りは日没から始まり、男女のグループが、愛情を表現する歌を歌ったり、焚き火を燃やし、悪霊を追い払う。
2日目のドゥルヘンディは、泥水や色水の掛け合いを行う。通りがかりの他人も、顔や身体に色粉を塗りつけられたり、色水を掛け合られたりする。ホーリーの日には、飲酒をするも多く、昼頃には芝生や木陰で酔いつぶれている人も多い。
(聖なる木)
ホーリー、ホリー (Holly)は、英語でセイヨウヒイラギやモチノキ属の植物全体を指す言葉でもある
セイヨウヒイラギは園芸用に栽培される常緑小高木 。冬になる赤い実が美しく、クリスマスの装飾の定番になっている。古代ローマではサトゥルナリア祭(農神祭)で、知り合いへの贈り物と一緒にセイヨウヒイラギの枝を添え渡していたものを、冬至祭でキリスト教徒がまねたため、後にクリスマスにつきものの装飾となったといわれる。キリスト教では、トゲトゲの葉や赤い実はキリストの流した血と苦悩を表すとされ、「キリストの刺」「聖なる木」とも呼ばれる。さらに花はミルクのように白いためキリストの生誕と結びつき、樹皮は苦いのでキリストの受難を表すとされる。 セイヨウヒイラギは魔力があると信じられてる。悪魔や妖精がクリスマスの期間に悪いことをしないようにと、民家、店、教会、墓地などに飾り付けられた。木材は白く堅くチェスの白駒に使われる。
(柊鰯)
日本に在来のヒイラギは刺の出た葉の形がよく似ているので混同されやすい。日本のヒイラギは、モクセイ科で葉は対生し、実が黒紫色の全く別の植物。柊の小枝と焼いた鰯の頭を門に挿した柊鰯(ひいらぎいわし)は節分に魔除けとして使われる。柊の葉の棘が鬼の目を刺すので鬼が入れず、鰯の臭気と煙で鬼が近寄らない。節分は、立春の前日。季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられてきた。それを追い払うための悪霊ばらい行事は古今東西で行われてきた。

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