三昧

ヨガの日は今年が5回目。国連が定める「国際ヨガの日」の6月21日、発祥のインドで多くの人が一斉にヨガを行った。東部ジャルカンド州ランチーでのヨガ大会には約4万人が参加した。ヨガの日の設立を呼び掛け実現したのはモディ首相。「ヨガは地域や信仰を超越している。世界の人に実践してほしい」と述べた。
 猫のポーズなどアーサナで知られる現代のヨガはエクササイズとして1990年代後半から世界的に行われるようになったが、もともとのヨガはインドのバラモン教、ヒンドゥー教、仏教、ジャイナ教の修行法だった。心身を鍛錬によって制御し、精神を統一する。輪廻からの解脱を目指す。
 仏教にも用いられたヨガの行法は中国・日本にも伝えられ坐禅となった。ヨガの教典『ヨーガ・スートラ』は、ヨガを「心の作用を止滅することである。その時、純粋観照者たる真我は、自己本来の姿にとどまることになる」と定義している。宮本武蔵の五輪書にも通じる。ヨガの精神性を重視したヴィヴェーカーナンダはモディ首相が尊敬する人物。身体性を重んじるハタヨガは、インドに逆輸入され、近代化するインドの人々をストレスから救っている。
 2014年、モディ政権は政府に「ヨガ・アユルヴェーダ・伝統医学担当省」(AYUSH省)を設立。ヨガは2016年、ユネスコ無形文化遺産にインド申請枠で登録。夏至の6月21日が「国際ヨガの日」となった。インドの観光資源ともなり、政府観光局のキャンペーンには、ヨガのポーズをとる女性の写真が多い。

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