戦闘機共同訓練

記念撮影では防衛相同士が握手、そして中央を入れ替わり外相同士の握手となった。インドのシン国防相は2019年11月30日、ニューデリーでの日印外務・防衛担当閣僚会議(2プラス2)で、中曽根康弘元首相の死去を受けて弔意を示した。ラージ・ナート・シン(Rajnath Singh 1951年7月10日生まれ)国防相はインド人民党の元総裁。ウッタルプラデーシュ州の州首相やバジパイ政権下で農業大臣を務め、モディ政権では内務大臣も務めたキーパーソンだ。外相も官僚出身とはいえ党の要人で重要人物なだけに挨拶の人選から読み取れるものは多い。
 茂木敏充外相と河野太郎防衛相は、初の日印2プラス2に臨み、航空自衛隊とインド空軍の戦闘機訓練を日本で開催する方針で一致。自衛隊とインド軍が物資や役務を融通し合う物品役務相互提供協定(ACSA)の交渉加速も確認した。
 共同声明は「自由で開かれ、包摂的で法の支配に基づいたインド太平洋のビジョンを共有する」とし、中国の海洋進出が進む中、安全保障協力の戦略的深化を図り、安倍首相が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」を踏まえて、公海での「航行の自由」や「上空飛行の自由」を重視した内容となっている。
 茂木外相は 「安全保障、防衛両面でのインドとの協力を一層具体化させていきたい」と述べ、
河野防衛相は 「米英豪に次いで戦闘機で共同訓練を行う4か国目となり、インドの防衛協力における重要性を示すもの」とした。河野防衛相は、11月17日に第6回拡大ASEAN国防相会議(ADMMプラス)のためタイを訪問しシン国防相と会談し環境整備を進めてきた。
 茂木外相がいう「具体的」な内容の一歩が共同訓練だ。共同声明では、自衛隊とインド軍が物資や役務を融通し合う協定の交渉(ACSA)交渉を加速化し、戦闘機の共同訓練を日本国内で初めて実施する方針などが盛り込まれた。
 オーストラリアとの共同訓練「武士道ガーディアン 19」が行われたのは、2019年〇日。航空自衛隊千歳基地(千歳市)。記念式典で丸茂吉成航空幕僚長と豪空軍本部長のメル・ハプフェルド中将が共同声明を発表した。声明は日豪間の防衛協力と交流を深化させるとした。河野防衛相は「日豪両国の連携強化は地域の平和や安定に直結する」とあいさつした。共同訓練は2017年の防衛相会談で実施方針が決定したもので空自のF15、F2と、豪空軍のFA18が参加し、オーストラリアとは2013年に発効させている「物品役務相互提供協定(ACSA)」に基づき、自衛隊から豪空軍への燃料提供も行った。日本はアメリカ、イギリスともACSAを発効させている。安全保障関連法の施行後、提供範囲が弾薬にまで広がった。
 茂木敏充外務大臣、河野太郎防衛大臣は、モディ首相を表敬。茂木氏は「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため引き続きモディ首相のリーダーシップを期待する旨述べ、河野氏は自衛隊の陸海空それぞれの分野でのインドとの共同訓練ができるようになってきた、と述べた。モディ首相は、アクトイースト政策でも日本と協力したい、とのことだった。

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