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Amazonのジェフ・ベゾス氏が2020年1月14日から3日間インドを訪問した。世界最大の通販の代表が本格的にインドへの上陸を宣言した形だ。「21世紀はインドの時代になる」というベゾス氏。今後5年間で1000万以上のインドの小規模小売業者が通販に参入できるようにすると表明した。アマゾンのインド進出の最大の壁は保守的な小売業者だ。キラナという伝統的な店舗がアマゾンを強く警戒する。「インド小売業連盟(CAIT)」も訪問に反対してきた。このため在庫管理やカタログ作成など、小売業者にEコマースの方法を学べるトレーニングプログラムを提供する。とにかく規模と将来性、そして内外の政治経済社会に与える影響は大きい。ベゾス・ショックといったところだろう。
 マンモハン・シン前首相も、小売り市場の開放でつまづいた。対面販売が地域社会と結びつき、家族生活の基盤になっているインド。大量生産・大量消費の大衆文化の国とは違う。消費の欲求はアメリカ以上かもしれないが、外からの「侵入」に対する警戒をどうときほぐしていくのか。だまされないぞ、と思っている人々は少なくない。ウォルマート傘下のFlipkartとの二社の寡占状態について公正取引委員会が調査に乗り出している。
 日本が求めるRCEP参加も見送ったインドの政治は有権者がやはり強い。その中核は農業と小売業だ。自国の市場を守る運動は植民地支配を受けた記憶を持つ国民の中で火が付きやすい分野だ。特にその先頭に立つのがヒンドゥー至上主義のインド人民党、そしてその代表のモディ氏だ。法律改正を機とするイスラム教徒との対立や、中東情勢で原油の輸入への影響が懸念され、5パーセントへと成長鈍化が明らかにになったこの時期の訪問が吉と出るか凶と出るか。

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