インドの映画は社会の問題を正面から取り上げる、アシッドアタック

タイトルの「チャパク(Chhaapaak)」はヒンディー語で液体がぶつかったときの音。インドの映画は社会問題を正面から取り上げる。アシッドアタック。目をそむけたくなるような現実も映画の中なら少しは整理して見ることができるところもある。
 2005年、当時15歳だったラクシュミ・アガルワルさんが、求婚を断った男に嫉妬され路上で酸を顔にかけられた。焼けただれた顔を晒すのを恐れ8年以上引きこもっていたが、酸攻撃の厳罰化と販売規制を求める運動家となる。実話を元にした映画はディーピカー・パードゥコーンの主演で2020年1月10日に公開になった。
 Laxmi Agarwal(1990年6月1日生まれ)さんの被害は、当初ヒンドゥスタンタイムズによって紹介された。その運動の結果、最高裁判所は中央政府と州政府に酸の販売を規制するよう命じた。ユニセフから国際女性エンパワーメント賞を受賞。ミシェル・オバマ大統領夫人などともに国際勇気ある女性賞を受賞。パートナーで社会活動家のアロック・ディクシットとは結婚せずに死ぬまで一緒に暮らすことを決め結婚式を行わず訴えを続けている。

アシッドアタックは、硫酸・塩酸・硝酸など劇物としての酸を女性の顔や頭部などにかけて火傷を負わせること。顔面や身体が損傷する。男性優位で女性の立場が弱い地域の中東や南アジアなどで問題になっている。インドのほか、バングラデシュ、パキスタン、コロンビア、カンボジアでもみられる。バングラデシュは最も多くの件数が報告されている。コロンビアではゴム産業で使用される強酸が容易であることが原因になっている。イギリスでも急増している。インドでは、酸の売買に規制がかけられることになった。縁談を断られたことに対する逆恨み、人間関係のもつれ、人種差別、宗教対立、抗争や家畜などをめぐる争いも原因とされている。被害者救済支援団体「ASTI」(Acid Survivors Trust International)によると、通報されないケースも多いとのこと。

 日本での公開は難しそうだ。

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