12歳の出稼ぎ労働者の少女が歩き疲れて死亡、コロナと餓死の二重の危険がインドを襲っている

インドの出稼ぎ労働者16人が列車にひかれて死亡するという痛ましい事故があった。ロックダウンで仕事がなくなり帰郷中に線路で寝てしまったものと見られている。インドでは線路で寝ることは珍しいことではない。西部マハラシュトラ州で2020年4月8日の未明、ジャルナを出発しマディヤプラデシュ州に向かっていた。帰郷の臨時列車に乗ろうと駅に向かっていたとも見られている。現地の報道によると約36キロ歩いたところで歩みを止め線路で眠っていた。旅客列車が動かないから道に迷わないように線路を歩いていた。貨物列車は動いていた。
 世界最長の全土封鎖が続くインドでは大量の失業者が出たが鉄道やバスといった公共交通機関が止まっているため労働者は歩いて故郷を目指す。インドは3月25日に全土封鎖措置を始めた。5月3日まで再延長されていた封鎖措置は17日まで延びている。3月25日の封鎖開始時に657人だった感染者が5月6日に5万人となった。
 12歳の少女が歩いて帰郷の途中に死亡した。トウガラシ農園で出稼ぎをしていた少女が2020年4月20日、歩き疲れて死亡した。約150キロ歩き家まで残り約15キロだった。南部テランガナ州から故郷の東部チャッティスガル州に向かっていた。脱水症状と栄養失調が死因とみられている。検問を避けるため森のなかを歩いていたという。農園での仕事がなくなり食べていくことができなくなった。 

 インド全土で数十万人のインド人の他州からの建設などの移民労働者が立ち往生している。インド政府は州間移動を禁止してきたが8つの州政府が中央政府に書簡を送り特別列車が許可された。その情報があると駅に人が殺到する。ムンバイではそれが警察との衝突につながった。テランガナ州のリンガンパリからジャルカンド州のハティアに向けて出発した最初の特別列車は、1,225人の移民労働者を乗せた。インド国鉄は、立ち往生している労働者、巡礼者、観光客、学生を含む7,000人以上を輸送するために、マハラシュトラ、テランガナ、ケララ、ラジャスタンから5つの特別列車を仕立てた。インドの鉄道は最初は1日あたり400両の列車を準備し、毎日1000両の列車に拡張することになった。他の州から帰郷する者は28日間隔離する必要がある。規則に違反すると「殺人未遂」の罪に問われる可能性があると地元のメディアは伝えている。

 コロナで死ぬ前に餓死するという声が広がり規制を緩和せざるを得なくなっている。

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