コロナ危機出口の最大リスクは新興国だというがインド経済は持ちこたえるのか

日本では緊急事態宣言が全面解除となり国民向の意識は調整できたつもりかもしれないが感染対策が終わりということではない。経済への影響はこれからがむしろ正念場だ。世界恐慌という言葉では表現できない新しい危機、新常態が生まれるのかもしれない。そのリスクのうち最大でかつ見えないのが新興国。急降下への引き金はなくしておきたいが、国家主権という壁もある。雪崩が来る前に逃げる以外にない。じゃぶじゃぶの資金のリスクも忘れまい。
 インドは3月に海外資金流出が1兆ルピーで過去最高となった。外国投資家(FPI)の取引が3月に入ってからの16日間の取引でのことだ。2008年の世界金融危機の流出額を上回り単月の流出額で過去最高。インフラ開発や金融などで株式市場が5,560億ルピー、債券市場が5,424億ルピー。2019年のインド株式市場への海外投資家の資金投入は1兆112億2,000万ルピーで、過去5年間の最高額。急激に投入した資金は急激に引き揚げる。投資国の事情はお構いなしだ。インドは自国で巨額の資金投入をしたが支えきえるのか。

 コロナ禍による資金流出に喘ぐ新興国は多い。2020年2月以降、コロナ危機で、ドル資金への需要が急増し、リスク資産から安全資産への資金逃避が生まれた。直撃したのは新興国だ。ブラジル、南アフリカ、インド、インドネシア。台湾、タイ、韓国も輸出を封じられ資金が流出した。ワクチンができるまでの辛抱ということだが、新興国の財政悪化は信頼と直結する。再びの感染拡大など次に何かあれば再び新興国からの資金流出が加速する恐れがある。
 2019年12月に中国湖北省で感染が確認された新型コロナウイルスは中国全土に急速に広がり、中国当局が感染拡大を抑え込むため、全土で封鎖・半封鎖的な措置を導入した結果、新規の感染確認者数が報告されなくなるになった。
 2月後半からはイタリアやアメリカなど欧米先進国で感染者が急増し、2020年3月11日にWHOが「パンデミック(世界的大流行)」を宣言。ウイルスの311だった。各国が都市封鎖や移動制限などの措置に踏み切り、グローバル景気が悪化する金融市場の「コロナショック」が発生。S&P500指数などグローバル株式が急落。VIX 指数は3月18日に85ポイントを超える水準に急騰し、リーマン・ショックの記録を塗り替えた。新興国から急激な資金流出が発生した。国際金融協会(IIF)の発表ではパンデミック宣言後に資金が流出したとのこと。
 中国も資金流出があったが4月には資金流入が回復。しかし基礎体力のない新興国からは資金流出が続いた。財政収支、危機政府対応能力、経常収支、対外資産、対外債務、外貨準備、グローバル・サプライチェーン。どれもリスクですべてが連鎖する。

 インドでは株式が急落。代表的な株価指数のSENSEX指数は、2020年3月はじめの38,000ポイント台から18日に29,000ポイントを割り込む。下落率は20%以上。ルピーも2020年3月20日に1ドル=75ルピーと史上最安値を更新した。

 リーマンの際にはどうだったのか。インド経済は、景気の過熱や原油価格上昇に伴うインフレで2008年半ばから金融引締めを強化していた。そこに世界的な金融危機の影響が襲った。ただし国内金融機関がアメリカの証券化商品等の資産を保有していなかった。成長率は他の新興国に比べて影響は少なかった。まだグローバル経済にどっぷりとは浸かっていなかったが、今回はどうだろうか。孤立を目指すわけではないと財務相
 インドは財政措置を分野ごとに2020年5月13日、5日間の連続会見で発表。投資効果はメディア戦略と直結する。モディ首相が5月12日に発表した28兆円の中身をじっくり味わいながらシタラマン財務相が会見した。第一弾は中小企業向けの支援策約5兆9,000億ルピー。外出禁止で悲鳴を上げている有権者に注いた。次に出稼ぎ労働者や農家、露天商向けの支援策約3兆1,000億ルピー。社会不安を抑える必要もある。第三弾は農業、漁業、酪農、畜産。約1兆5,000億ルピー。恒産なくして恒心なし。残りの石炭、鉱物、防衛、空港・航空宇宙、原子力、民間航空などは、この機に乗じて改革を進めようという意図がうかがえる。最終日は感染追跡アプリやオンライン診療などのニューノーマルで希望をつなぐ。
 モディ首相の「自立したインド」構想は実現するのか。

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