コロナウイルスを「予測」した14才の少年占星術師アビギャ・アナンド。12月に別の世界的な大災害が始まるなどという。占星術は「術」なのか「説」なのか「学」なのか「論」なのか気になる。

Abhigya Anandは2019年8月にコロナウイルスのパンデミックが数か月後に世界に影響を与えると「予測」したビデオで注目された。アナンド氏は新しい予測を発表し、パンデミックがいつ終了するかや今年の12月や2021年3月の新しい悲劇も警告しているが科学的な根拠はない。占星術を科学としないのであれば。アナンドは自然が人類の構造にどのように影響するかを分析するヒンドゥー文化の古い教義であるヴァストゥシャストラの研究を終えた最年少の学生とされる。アユルヴェーダ微生物学の大学院の学位を持つという。
 アナンドは今年の9月5日がCovid-19が完全に根絶される日付になるという。解決策が見つかった場合という条件付きでのことだが。
 動物を殺し、母なる自然に害を及ぼすことは私たちのカルマに影響を与えるという。インドと中国もお互いが反目しあってはいけないと警告する。根拠として示されるのは「私によると」。月食と木星、土星、および月と火星の衛星や惑星配置に基づくということなのだが。。。


 以下ざくっとインド占星術を抜粋してまとめてみた。インド占星術はネパールやチベットなど周辺の地域でも行われている。月の通り道の白道上の月の位置に着目した占星術だった。ヘレニズム時代にギリシアから太陽と月、5惑星とラーフ、ケートゥといった九曜、十二宮と十二室に基づくホロスコープ方式の占星術を取り入れた。仏教に取り入れられ密教の一部として中国に伝えられ平安時代には日本にも伝えられて宿曜道となった。
 中国発祥の二十七宿、二十八宿と似ているが、それぞれ発祥を異にするとされる。
 基本的には西洋占星術に似てはいるが、インド占星術独自の技法を用いる。健康運の良し悪しや外見や精神的特徴、財産運(ダーナヨガ)、成功運(ラージャヨガ)等を占う。インド占星術では太陽よりも月を重視する。インド占星術には大きく2つの流派あり、現在では『ブリハット・パラーシャラ・ホーラー・シャーストラ』という古典を基にしたパラーシャラ方式が主流だが、以前はもう一派のジャイミニ方式が広く使われていた。現在は占いたいテーマにより使い分けられている。精神的・霊的な内容を占う時はジャイミニを使う傾向がある。
 インド占星術家は曜日占い、顔・手相、指紋の相など他の要素も併用して占断することもある。使用する占星惑星。実在惑星として7惑星(太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星)と月の軌道要素から導きだされる点を架空天体とするラーフ、ケートゥも用い9つの占星惑星をナヴァ・グラハ(nava graha、漢訳(九執、九曜))と総称する。木星、金星、月、水星が生来的に吉星とし、ラーフ、ケートゥ、土星、火星、太陽が生来的に凶星とされる。占星惑星の解釈にもかなりの相違点がある。例えば、月が心の状態を示す点は共通だが、インドでは「心の安定」、西洋では「心の不安定」を主に表す。また土星が「制限」「支配」などの意味を持つのは共通だが、インドでは自分が支配・制限するもの(部下、奴隷など)を示すのに対し、西洋では自分を支配・制限するもの(かなり年上の上司、妻にとっての夫など)を示す。
 ヒンドゥー教の因果業法論、宿命論に基づいており、開運法の実行によりある一定の効果があると信じられている。 ブリハット・パラーシャラ・ホーラー・シャーストラによれば、惑星には各々真言(マントラ)が決められており、巡ってきたダシャーの惑星の真言を決められた数、詠唱することのみ記載されている。 インドでは民間信仰として、チャート上で悪い影響を及ぼすと判断された惑星を支配する神々を祀ったお寺に参拝し、加持祈祷を行ってもらったり、善業を積む意味での寄付または喜捨を行う風習がある。 惑星を表す宝石等を身に着けることは記載されていない。否定的な影響を退け良い影響を身に吸収する方法として宝石療法は伝承されている。悲惨な運命を回避・軽減するには自らの意志で行う修行によって霊的に成長するのが望ましいともされる。

 科学史からみたインド文化を矢野道雄先生が研究されている。インドの科学はウィリアム・ジョーンズの「サンスクリットの発見」以前にもヨーロッパの学者の関心を集めていた。パリ天文台員ル・ジョンティ(Le Gentil, 1725-92年)は金星の太陽面通過観測のためインドのポンディシェリーへ行った。
黎明期のインド学者たちの中で科学史研究の点でも重要な人物。・コールブルック(H. T. Colebrooke):バースカラⅡの数学書『リーラーヴァティー』と『ビージャガニタ』の英訳。・バージェス(E. Burgess):『スールヤシッダーンタ』の英訳。・ウエーバー(A. Weber):ヴェーダの暦法の研究。・ヤコービ(H. Jacobi):天文学と暦法による年代学研究。・ケルン(H. Kern):『占術大集成』(B?hatsa?hit?)のテキスト出版と英訳。・ティボー(G. Tibaut):『シュルバ・スートラ』の研究。
 『ラーマーヤナ』の冒頭に、ラーマの誕生の時の天体の様子がに描かれている。それから12 ヶ月目のチャイトラ月の第9日に、[月の位置する]星宿がプナルヴァスであり、また5つの惑星が[いずれも]自分の高揚位に位置し、[東の地平線上に]懸かったかに宮にある木星が月とともに上昇しつつある時、ヴィシュヌの化身としてすべての世間の人々に尊敬され、すべての吉相をそなえたラーマを、カオサルヤー妃が生んだ(岩本裕訳『ラーマーヤナ』、平凡社東洋文庫を多少改訳)。
 6世紀半ばにアヴァンティ地方で活躍した博学者ヴァラーハミヒラはゾロアスター教徒の末裔でありながら、占星術の知識によって宮廷に仕え、「バラモン」とまで呼ばれるようになった。ペルシア系の博学者アル・ビールーニーの『インド誌』はガズナ朝のマフムードのインド遠征に随行して見聞したことと、連行してきたインド人学者たちから得た情報を記録したもの。
  『インド誌』より学問の口承性。インド人たちには、古代のギリシア人たちのように、羊皮紙の上にものを書く習慣がない。ソクラテスはどうして本を書くことをしないのかと尋ねられて、「わたしは知識を生きた人間の心臓から死んだ動物の皮に移したりはしない」と答えた。
 アル・ビールーニーは占星術の入門書『占星術教程の書』を著している。ユークリッド幾何学とインド計算法を融合している。詳しくは矢野道雄、2004、『星占いの文化交流史』、勁草書房。
 占星術は「術」なのか。「説」なのか。「学」なのか。「論」なのか。気になる

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