茶葉古道

 インドの三大紅茶のうちアッサムは、北インドのアッサム地方でとれる紅茶。濃厚な味と香りを持つ。濃い赤褐色が特徴で、湯の中で色や香りが出やすい。クセのない強い味を生かして、他の茶葉とのブレンド用としても重宝されている。 インドと中国の間には、雲南省と西ベンガルやアッサムを結ぶ交易路の茶馬古道があった。インド政府紅茶局は、栽培地と消費地を結ぶ茶貿易の復活に期待を膨らませている。
 「チャ」の木の品種のうち、涼しい高地で作られる中国種と異なり、高温多湿の地で作られるアッサム種は十五センチを超えるものも見られるほど葉が大きく、渋みの成分タンニンも多い。東インド会社はインドからの茶葉の輸入を独占し、それはイギリスの紅茶として世界に広がった。その利益が大英帝国繁栄の一端を担った。
 今、世界で最も多くの紅茶を輸出している国は、インドや中国ではなく、アフリカのケニアだ。インドや中国といった生産国での消費量が増え、価格の高騰が起きると、生産者はより労働賃金の安い地域に移動する。
 中国茶のプーアル茶の産地、雲南省プーアル。こちらは、中国最大のコーヒー豆産地になっている。ミャンマー国境に近い高原の小さな町は、高級豆として取引されるアラビカ種のコーヒー豆を年間14万トン生産し、中国の総生産量の98%を占める大産地となった。
 プーアルは、温暖で雨期と乾期が分かれフランス人宣教師らによって19世紀から細々とコーヒー豆が生産されていた。1988年、スイスの食品大手・ネスレがプーアルに拠点を置き、安定価格で豆の買い取りを進めた。雲南省での栽培面積は東京23区の約2倍の13万ヘクタール。栽培農家は100万戸に拡大した。茶葉の栽培面積の3分の1になった。中国の市場調査会社、第一財経商業データセンターによると、中国のコーヒー市場は、数年前から続く前年比15%の拡大ペースが加速し、20年には3千億元、25年には1兆元に達すると予測されている。
 中国では、インドの紅茶の人気が高まっている。
 茶葉の2017年生産量は中国が約255万トン、インドが約128万トン。中国に入ってきたインド産紅茶は、17年の紅茶輸入量のほぼ30%に当たり、2017年の対中輸出量は、国別で3位。中国への紅茶輸出額は約2500万ドル、30億円になった。インドは、ロシア、イラン、アラブ首長国連邦、イギリス、パキスタン、アメリカ、エジプトなどに紅茶を輸出。17年の輸出量は25万トンに上る。
 政治的には熱い緊張関係にありながら経済面では関係を深める「政冷経熱」の両国。紅茶はホットで飲むのか、アイスにして飲むのか。

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