ベンガルの白虎

インド国勢調査でトラの数が急増していることがわかった。インドは現在、世界のトラの70%が住んでいると推定されている。
2019年7月29日に調査結果を発表したのはモディ首相。トラの個体数は2014年の2,226から2018年には2,967に増加したと述べた。モディ氏は、インドが「現在トラの最大かつ最も安全な生息地の1つである」と強調した。国勢調査は4年に1回。 森林官や科学者たちが50万平方キロメートルを調査する。個体数の証拠を探すのは大変な作業だ。
? 9年前、サンクトペテルブルクで2022年に虎の個体数を倍増させるという目標が決定された。
調査結果はインド人だけでなく、自然愛好家にとって朗報だ。大規模な保護措置が成功したといえるからだ。1875年から1925年の間だけで、インドでは約8万頭のトラが殺された。狩猟が横行し、諸侯や役人が銃、槍、網、罠と毒を使って何千ものトラを殺し、1960年代までに、トラの数は急激に減少した。
 しかし、狩猟を禁止する村での啓発活動など、虎の保護を合理化する政府によるイニシアチブの数々で個体数の増加につながった。1972年に施行された厳格な野生生物保護法は深刻な紛争状況に巻き込まれた場合でも、野生動物を殺害または捕獲することは事実上違法だと定めた。世界的な保護主義者からの圧力で、インドは多くの森林警備員を雇用し、保護区の保護を改善する投資を行った。結果は2006年に現れ始め、トラの数が上昇がした。
 しかし最近では、人間と虎の紛争も増加している。理由の1つは、保護区が足りず、虎が多すぎ、森林が少なすぎることだ。インドの潜在的なトラ生息地の30万平方キロメートルの約10%しか繁殖していないという推計もある。これらの森林地域の多くでトラの密度が高く、余ったトラは時に食料を求めて外に出て、近くに住む人々と対峙する。インドがトラの生息地を拡大しない限り、対立は増加する。
 インドのトラといえば、ベンガルトラだ。Panthera tigris tigris (Linnaeus, 1758) ベンガルトラ (Bengal tiger)。ベンガルトラは、クマやゾウも倒すほど攻撃力が高い。人間にも被害が出ている。ベンガルトラは、食肉目ネコ科ヒョウ属に分類される。インド、ネパール、バングラデシュなどに生息。アジアを代表する大型の肉食獣。生活圏は森林地帯で湿地帯の草原や川辺の草むらや、2000mを越えるような高山地帯の厳しい環境下でも生活する。
 体の色は主に黄褐色か、オレンジがかった茶色で、黒い縞模様が入るが、ベンガルトラは黒い縞模様が他のトラよりも少ない。肩や胸にほとんど縞がないこともある。体毛は短いが、頬から首のもみあげのもじゃもじゃ毛が長い。ベンガルトラは巨体で、オスは、体長230~300cm、体重180~230kgと、メスでも体長180~230cm、体重90~180kgはある。ヒョウの仲間でも、この巨体で木に登ることはないが、泳ぎが得意で、川があっても移動に問題はない。行動範囲が広く、縄張りの中には数頭のメスの行動範囲も含まれている。雄は子育てをすることなく、雌が育て、4年ぐらいで成体として繁殖可能になり、野生での寿命は10年~15年くらい。
 ベンガルトラは夜行性の動物で、昼間は茂みの中や岩陰など、涼しい場所で寝て過ごし、暑い日には、水辺で半身を浸して休んで、体力を温存する。シカやイノシシ、ウシやウマといった家畜を襲うが、スイギュウやツキノワグマにも襲い掛かる。インドゾウやワニに勝つこともある。タイガーの驚異的な戦闘能力は自然界の頂点に位置する。
 インドやネパールのベンガルトラの生息地では、住民が襲われる。100年ほど前には、1頭のトラが4年をかけて436人もの人間を殺して食べたという記録があり、1頭の動物が起こした人喰い事件で最も人数が多い事件「チャンパーワットの人喰いトラ」として知られている。
 トラは1週間に1回程度、大きな獲物を捕るが、密猟や環境破壊でエサとなる動物が減った。人間が狙われる可能性は高くなる理由はここにある。生活圏を追われたベンガルトラが、縄張りを求めて人の住む場所に現れる。結果として、多くのベンガルトラが狩られることになった。トラの毛皮や骨は装飾品や漢方薬の材料として高値で取引され、密猟も横行した。100年前には4万頭いたと言われるベンガルトラの個体数は激減し2000頭ほどで絶滅危惧種に指定されている。インドの国立公園では、森の80%でサファリを禁止し、動物のための森を守る方針がとられている。
 ベンガルトラの中でも、珍しいのが、ホワイトタイガーだ。白化型といわれるが、正式名は「ベンガルトラ白変種」という。普通のトラでは黄色になる部分の毛が白色もしくはクリーム色で、黒い縞模様の部分も色が薄い。縞がないかあっても極めて薄い場合はスノーホワイトと呼ばれる。目の虹彩の色は青である。白化型の遺伝にはメンデルの法則が当てはまるとされており、インド北部や中東部に数頭いたといわれるが、トラ全体の数が減り、全世界でも250頭あまり、国内には30頭ほどしかいないといわれる。希少種で、飼育下でしか目にすることができない。
 モディ首相は、勢力を吹き返しつつあるトラから何を想起するのか。
 白いトラには、哀しいイメージもある。
 白虎隊を想起する。戊辰戦争期における会津藩の少年正規軍。1868年(慶応4)正月の鳥羽(とば)・伏見(ふしみ)の戦いに敗れた旧京都守護職の会津藩主松平容保は、維新政府への抗戦を主張、軍制を洋式に改め、部隊を年齢別に編成して、18~35歳を朱雀(すざく)隊、36~49歳を青龍(せいりゅう)隊、50歳以上を玄武(げんぶ)隊、そして16、7歳の少年で結成されたのが白虎隊であった。兵員数は300余名。玄武、白虎はいわば予備軍だったが、新政府軍の攻撃にあい、白虎隊も従軍。8月23日、命を受けて出撃した白虎隊士20名が若松城北東の飯盛山で自刃して果てた。

ベンガルの白虎” に対して2件のコメントがあります。

  1. w より:

    テストしてみたが

  2. w より:

    テストだよ~

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