貨物船座礁の重油流出で自然環境懸念のモーリシャスはどんな国?【日本人として知っておきたい5つのこと、世界遺産、航空機事故、切手、沿岸浸食、奴隷制】

2020年8月15日に船体は2つに割れ船尾部分が完全に切り離され残りは外洋へと曳航
①日本人にとってモーリシャスはホテルでのんびりと過ごしつつ、観光ツアーに参加したり、ウォータースポーツやゴルフを楽しむ観光地。海、山、動物、アクティビティを楽しむ楽園。イル・オ・セルフは、2つの島の間に白砂が堆積し、潮が引くと扇形の砂州が広がる。モーリシャスを代表するビーチをカタマラン船に乗って優雅にクルージングする。奴隷の歴史を物語るルモーン山は世界遺産でブラックリバー渓谷は緑の森。シャマレルの滝は100mの落差を水が流れ落ちる。アフリカからの動物やモーリシャス固有種の鳥などの多様性もある。

②そのほかにも知っておきたいことがある。南アフリカ航空295便墜落事故。1987年11月28日、南アフリカ航空295便が貨物エリアで発生した火災によりモーリシャス東方のインド洋に墜落ぢ乗客乗員159人全員が死亡した。ボイスレコーダーが4,900メートルの深さから回収されたが火災の原因は特定できないまま。
 ボーイング747-200Bコンビの295便は客室には140人の乗客が搭乗していた。機長は13,843時間の飛行時間を持つベテランパイロットでボーイング747の飛行時間も3,884時間あった。295便は、台湾の中正国際空港を出発しインド洋上モーリシャスのサー・シウサガル・ラングーラム国際空港で給油後、南アフリカのヨハネスブルグのヤン・スマッツ国際空港に向かう予定だった。台北を出発後、9時間30分は通常通りに飛行していたが、現地時間午前3時45分ごろ、モーリシャスの航空管制官に対し「煙が充満し緊急着陸を要する事態」と通信があった 火災が重要な電気系統を破壊し、295便は通信不能、機体制御不能に陥り、機体が空中分解、モーリシャスの北東約250km沖合のインド洋上に高速で墜落。水深約4000 – 5000mの海底に突入したと推測されている。事故は747コンビでの最初の火災事件であり、ワイドボディ航空機での数少ない火災の1つとなった。
 南アフリカのアパルトヘイト政策で観光や文化交流の制限を含めた経済制裁強化の最中で欧米人の乗客は少なかったが、日本や台湾は南アフリカと鉱物の輸入や機械の輸出など貿易面で関係が親密だった。1980年に北洋漁業に代わる漁場を南方に求めて南アフリカに遠洋漁業の中心基地が移っていた。47人もの業務渡航目的の日本人が搭乗していたという。
 事故の慰霊碑は、事故機が最後のフライトに向かった中正国際空港の近くにある竹圍海水浴場と、モーリシャスのベル・マールのパブリック・ビーチにそれぞれ建立されている。30年を迎えた2017年11月29日には、在モーリシャス日本大使館員による慰霊がベル・マールで行われた。
 事故の翌日1987年11月29日、バグダッド発アブダビ・バンコク経由ソウル行大韓航空858便がベンガル湾上空で爆破された。北朝鮮の工作員によるテロと断定され日本での関心はこの「大韓航空機爆破事件」に集まった。

ブルー・モーリシャスは1847年にイギリス領モーリシャスで発行された切手で世界で最も価値のある切手のひとつとして知られてる。イギリスで1840年に開始された郵便切手制度は国外にも広がりを見せていた。当時英領であったモーリシャスでも切手が発行された。オレンジ色の1ペニー切手500枚、青色の2ペンス切手500枚。「POST PAID(郵便料金支払い済み)」と書かれるべき個所に「POST OFFICE(郵便局)」と記されていた。モーリシャスで1000枚のみ発行されたブルー・モーリシャスがコレクターにより高値で取引された。現存するブルー・モーリシャスは26枚、真贋不明な1枚を含めても27枚。ほとんどがイギリスの王立コレクションやベルリンの郵政博物館などに保管されている。現在では2枚で6億円ともいわれている。その所有者の日本人が切手コレクター金井宏之がいる。
金井は未使用の1ペニー切手と2ペンス切手、使用済みの1ペニー切手と2ペンス切手、それに1ペニー切手と2ペンス切手が貼られた手紙、通称「ボルドー・カバー」を合わせた合計6枚を所有していた。ボルドーカバーは金井が1億2000万円で落札したもので、後年575万フランで売却された。
モーリシャスの首都、ポートルイスにあるブルーペニー博物館では現存する27枚のブルー・モーリシャスのうち、2枚を見ることができる。
④モーリシャスでは海岸侵食や高波浸水被害、気候変動に対する適応策を検討するため日本の技術協力事業が実施されている。低い標高の海岸エリアに対する高波越波対策として礫養浜のパイロット事業は海岸防護面,海岸利用および環境面における改善効果が確認されている。
礁池内でおこなわれる小規模漁業は,手釣,カゴ漁,曳網の一種が中心。漁業者からの聞き取りでは,5年前と比較して沿岸水産資源は減少しているとのこと。台風に強い沖縄で設置数が増加している中層浮魚礁の導入が効果的であると考えらている。

⑤多様な文化。アフリカ諸国に分類されるが、アフリカの中で唯一ヒンドゥー教徒が多数を占める。
インド空軍のC-17大型輸送機がモーリシャスに派遣された。2020年8月16日インド政府は現地での回収作業を支援するためにインド沿岸警備隊の技術対応チームを派遣した。チームは10名からなり、30トンの資機材および援助物資とともに、インド空軍のC-17「グローブマスターIII」大型輸送機でポートルイスに到着。
 モーリシャスでは1835年に奴隷制が廃止されたが、英国はインドから契約労働者をモーリシャスに送り込み製糖業で働かせた。インド系、アフリカ系、フランス系、中国系が混ざり合っている。小さな島国なのに過去に多くの国の植民地であったために多様性があるインド洋の島。1638年にオランダの植民地、1968年に独立。アフリカ諸国から連れてこられた奴隷たちの脱走避難場が所ル・モーン山。外部の人間と接触する機会のない孤立した場所に住んでいたため、奴隷制度が廃止されたことに気付かなかった。伝統音楽「セガ」はジャマイカ発祥のポピュラー音楽「レゲエ」の影響を強く受け「セゲエ」として生まれ変わった。
 貴重な自然の多様性を破壊するだけでなく、自然しかない小さな島国の暮らしまで破壊していないのか。慎重でありたい。

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