手洗いダンスはよい例、牛の尿、ヨガ、ハーブ販売で紛糾するインドのコロナ対策

モディ首相は2020年3月19日、テレビ演説し、新型コロナウイルス対策として22日午前7時から午後9時まで全土を対象に外出禁止令を命ずると発表した。22日は日曜日。一部の役人など以外の全ての国民が自宅待機の対象。65歳以上の高齢者と10歳以下の幼児に対しては、それ以降も自宅に待機するよう求めた。22日からは7日間、インドへの国際線旅客機の着陸禁じられた。インド政府はすでに日本を含めたすべての国を対象に、発給されている観光ビザや商用ビザを一時的に無効にする措置を導入し外国人の受け入れを大幅に制限してきたが、就労ビザや外交ビザなどを持つ人は例外となっていた。日本政府観光局(JNTO)は2020年3月19日、2月に日本を訪れたインド人旅行者数が前年同月比27.2%減の6,600人(推計値)だったと発表した。デリー首都圏では19日に全ての飲食店の閉鎖が決まり、スポーツジムやショッピングモールなども閉鎖が始まった。モディ氏は「人口13億人を超えるインドにとっては危機的な状況だ。社会的な実験になる。決意と忍耐が必要だ」と述べた。世界保健機関によると、インドは3月18日時点の感染者数が137人。インドは他国と比較して検査を受けられる施設が少ない。

ニューデリーでは3月14日、ヒンドゥー教の活動家数十人が、新型ウイルスから身を守るためとして牛の尿を飲むパーティーを開いた。「全インド・ヒンドゥー・マハーサバー」の指導者チャクラパニ・マハラジ氏が、新型ウイルスと闘うとして「ガウムトラ(牛の尿)パーティー」を開いた。牛は聖なる生き物とされており、オレンジ色の衣装のメンバーが真言を唱え、信者が牛にささげる賛歌を歌う悪魔の姿の新型コロナウイルスの絵も見られる。
コルカタでは、3月17日、牛の尿を飲むパーティーを主催し参加者に飲尿を強要したとしてインド人民党の党員が逮捕された。このパーティーに参加した市民が体調を崩し告訴し、西ベンガル州警察が主催者を逮捕したという。
 コロナに便乗したハーブ販売だとしてヨガ指導者にインド医学会から批判も集まっている。インドで人気のヨガ指導者ババ・ラムデフ氏だ。コロナウイルスと人間のたんぱく質が混ざるのを防ぐのに効果があるという。ラムデブ氏は、インドでは知らない人がいない有名なヨガの伝道師。ラムデブ氏がヘチマのジュースが体に良いと言えばヘチマが普及し、コーラがよいといえばコーラを買い求める。アーユルヴェーダ病院も経営する。聖地ハリドワールに本拠地の病院を持つ。

インド経済がさらに減速する懸念も一部で出ている。インド統計局が2月28日発表した2019年10~12月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前年同期比+4.7%と、一段と減速。インド政府が発表した2020年度予算案は、景気刺激としては不十分だったようで、RBI(インド準備銀行)による利下げがあるのか。自動車産業など製造業の不振に加えて、銀行の不良債権問題やノンバンク の経営不安等がある。コロナ対策の景気刺激策があるのかどうか。

ケララでは、手洗いを啓発する警察のダンス動画が話題になった。州都トリバンドラムの警察が3月17日ダンスをするマスク姿の警察官らの動画を公開。手首や爪を洗ったり、手洗いのポイントをよく押さえている。

隣国のスリランカでも国際空港で全旅客機の乗り入れが停止となった。2020年3月17日、スリランカ政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため19日から25日まで最大都市のコロンボ近郊にある国際空港ですべての旅客機の乗り入れを停止すると発表した。出国する国際便や貨物便などはこれまでどおり運航を続ける。ハンバントタの空港も国際便の乗り入れを停止し船での入国も停止したためスリランカには入国できなくなった。ゴタバヤ・ラジャパクサ大統領は2020年3月11日、出入国管理局に対して、到着時のビザ取得の発給停止を指示していた。スリランカは国内での感染拡大の防止のため、3月13日から4月20日の期間、国内すべての学校を休校にすると発表してている。

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