スタグフレーション、コロナ対策予算拡大でも部品が中国から入ってこない

モディ首相は2020年3月29日、感染拡大抑制のためのロックダウン措置で国民に深刻な負担が生じていることについて、貧困層に「謝罪」した。恒例のラジオ演説で「地方住民に赦しを請う。しかし他に選択肢はなかった」と述べた。ロックダウン実施前の計画が不十分だったと批判が高まっていることが背景にある。インドのツイッターでは「#ModiMadeDisaster」のハッシュタグがトレンドのトップとなった。それにしても、潔いというか、はっきりしている。十分な計画など無理な状況は誰もがわかっているが非は非ととして認めたほうが、火が広がらないということなのだろう。21日間のロックダウン措置は失業や飢餓など貧困層を直撃。出稼ぎ労働者は都市を逃れ、数百キロを歩いて出身地への帰省している。

 インド政府は2020年3月24日、消毒剤と人工呼吸器の輸出を禁止。有効関係を深めたばかりのイスラエルは、ネタニヤフ首相がモディ首相に、イスラエルに防護マスクと医薬品の製造に使用される原材料の輸出禁止を免除するよう要請したという。

ヒンドゥスタンタイムズが報じたのは、コロナウイルスを模したヘルメットを被る警官。パンデミックの深刻さについての認識を広めるために、タミルナドゥ州の地元のアーティストが警察官と協力して、封鎖中に通勤者が通りに出てくるのをとめるためにユニークな「コロナ」ヘルメットを作成した。効果はまずまずだという。
 ロックダウンでは、外出禁止を破った者が警官に見つかると警棒で攻撃を受けたり、街中で腕立て伏せやスクワットをさせられたりする様子が動画で伝えられ話題となった。ここまでやるのかと、これから非常事態令を検討する日本など先進国には衝撃的な映像だった。ロックダウンの対象地域は全国土の9割で、集会の開催が厳しく制限され違反すれば二年の禁固刑または罰金が科せられるというものだ。

インド政府はコロナ対策の財政措置を発表したが、実態経済が止まったままでは通貨ばかりが増えるスタグフレーションの懸念と隣合わせだ。自給自足の経済はすでに変容を遂げている。外貨を稼ぐ製薬は中国からの原料が入ってこない。ITの中心ベンガルールでも街は閑散としている。消費者物価の高騰で大きな影響が心配される。景気が沈滞する中で物価が上昇すること現象が中国と同時に起きると、世界の経済成長に深刻な影響を与えるだろう。中国の経済成長率は29年ぶりの低水準を記録している。
 インドの消費者物価指数(CPI)は2019年12月に前年同月比7.35%上昇と急騰。個人消費はインドのGDPの約6割を占める。12月の卸売物価指数(WPI)は前年比2.59%上昇と7カ月ぶりの高水準に加速した。原油価格への影響を考慮して、追加利下げは難しかった。

 インド準備銀行は2019年に5回利下げし、金融市場に数十億ドルの資金を投入した。しかし、貸し出しを刺激できず、不良債権比率は世界有数の高水準になっている。インド政府は200億ドル規模の法人減税、不良債権を抱え財務が弱体化した銀行の統合や民営化、外資規制緩和、国有資産売却と策は打ち出している。しかし、中国から材料が入ってこないと実態経済はまわらない。

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